平成25年度11月議会の質問を掲載 します(連続19回目)

平成25年度11月議会の質問を掲載いたします。
テーマは2つ
1:南アルプスユネスコエコパーク登録とリニア中央新幹線建設工事との関係性について
2:徳川家康公顕彰四百年事業と世界でただ一つの「家康公の時計」国宝化について


市長からも「環境を保全し、ユネスコエコパークを推進する」と
「家康公の時計についても応援したい」と、2つとも熱い答弁が述べられました。

結果、リニアについては新聞報道のように県議会でもいち静岡市の問題ではなく、
県全体で考えるべきと、腰を上げることになったこと。
水源地は静岡市内であっても事実、毎秒の2tの水が枯渇する可能性があるのは大谷川水系の志太榛原地域にお住まいの63万人分の生活用水です。環境問題は広域な課題として再認識されました。


家康公の時計については
先日、落合宮司の話では、顕彰四百年記念事業の調査の一貫である久能山東照宮や家康公の調査としても十分に取り上げることになり、市の文化財課の職員も熱心に調査に来て協力体制であることなどの報告をしていただきました。
今後は、私自身も「文化財は産業」というこのキーワードを根幹に静岡市の将来の産業についても研究して参ります。

以下、質問の全文を掲載します。

<1回目>
それでは大項目1の南アルプスユネスコエコパーク登録とリニア中央新幹線建設工事との関係性について伺って参ります。

① 中央リニア新幹線は実験線の着手から約20年、2011年5月26日に整備計画が決定、JR東海が営業及び建設主体に指名され、平成26年中の着工を予定しています。
同じく、南アルプスも本年9月4日にユネスコエコパークの国内申請が決定され、平成26年に登録の可否が決定される予定とのことです。

国家的大事業でありながらタイミングと実施場所が同じで、且つ自然環境保全と経済的利便性という一見、相反する側面を持つ事業であることから、マスコミ報道でも連日取り上げられています。
 
ちなみに国内のユネスコエコパークは1980年より登録された「志賀高原」、「白山」、「屋久島」ほか5件。南アルプスが決まれば国内6番目となります。
では、まず改めて① 南アルプスユネスコエコパーク国内推薦のこれまでの経緯と登録までの予定について伺います。

答弁)
南アルプスのユネスコエコパーク登録への取組みは、南アルプス国立公園に関係する山梨県、長野県、静岡県の10市町村により設立した南アルプス世界自然遺産登録推進協議会の中に、ユネスコエコパーク登録を目的として、平成23年7月にユネスコエコパーク登録検討委員会を設置し、進めてまいりました。
 本年4月に登録申請書素案を日本ユネスコ国内委員会へ提出し、9月4日、日本ユネスコ国内委員会において国内推薦が決定され、9月末に、国が、申請書を推薦書とともにユネスコ本部へ提出しました。
 来年6月に予定されるユネスコ人間と生物圏(MAB)計画国際調整理事会において、登録の可否が決定される予定です。

大項目2 徳川家康公顕彰四百年事業と世界でただ一つの「家康公の時計」国宝化について質問させて頂きます。

落合宮司が執筆した、この本をお読みになった方は?
この本のはじめに、このように記載されています。
「私の国宝への取り組みについて、ドンキホーテのような見果てぬ夢とお笑いになるか、はたまた、私の切なる願いに深く共感していただけるのか、どうか」、私の今回の質問の趣旨はこの一文でしょう。

家康公の時計はフィリッピン前総督のドン・ロドリゴ・ビベロが船長を努めていた船が千葉県沖で漂流、座礁して家康公を含めて多くの日本人がスペイン人の救助にあたり、その返礼としてスペイン国王フェリペ3世から1611年に家康公へ送られたものであります。

 四百年前、私たちの貧しい先祖は目の前に困っている人たちがいれば、たとえ海外からの大量の漂流民であろうとも、暖かい手を差し伸べていたことがこの時計を通じてわかるのです。
 東日本大震災で見せた日本人の心の証拠でもあり、また家康公が海外との相互の交流を積極的に進めようとしていたことの証拠でもあります。

また、この時計は昭和30年に盗難に会うも、翌年市内の小学生が泥棒に宛てた手紙を送り、戻った事でも有名です。400年前から様々な奇跡のもとで現在まで残った家康公の①時計の価値についてどのような認識をされているか
(答弁)
2 徳川家康公顕彰四百年記念事業と「家康公の時計」国宝化について
① 大英博物館でも所蔵していない、世界でただ一つの時計の価値についてどのような認識を
されているか。
→・この時計が製作当時から未修理でほぼ原形のままであることが確認できる世界で唯一のものであるという認識である。
・当時の日本とスペインの友好関係を証明する「国際人家康公の遺品」であると認識している。

<2回目>
それでは、大項目1の南アルプスユネスコエコパーク登録とリニア中央新幹線建設工事との関係性について伺います。

11月5日、6日と市議会有志と南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会の元静岡大学学長の佐藤博明委員長と地質の専門家で委員の静岡大学狩野謙一教授、当局とメディア各社の皆さんと、南アルプスの調査に行って参りました。
当日は私たちを歓迎するかのように直前まで頻繁に訪れていた台風は去り、雲ひとつない、限りなく透明な青い空に、凛とした空気に南アルプスの山々は赤や黄色に色付いた姿で、気高く聳えたっておりました。

何年も通っている研究者の方々も「これほどまでに綺麗な南アルプスは今までに見たことがない」と云われ、現地を訪れたメンバーすべてがまさに、世界に誇る景観だと実感したのではないでしょうか。佐藤委員長の言葉を借りれば「1億年かけて自然が作り上げた奇跡の景色」でした。
そこで伺いますが、この景観はもちろんのことながら
② 南アルプスユネスコエコパーク登録においての審査基準とは何か、またどのような点が評価され国内推薦が決定されたのか。
②ユネスコエコパーク登録においての審査基準とは何か。また、どのような点が評価され国内推薦が決定されたのか。

ユネスコエコパークの登録においては、審査基準が6項目あります。
その主なものは、第1に、登録予定地域が次の3つの機能を持つこととされております。
1つ目が、重要な生態系を有する地域を保護する「生物多様性の保全」の機能、2つ目が、自然環境の保全と調和した持続可能な発展の取組みを行う「経済と社会の発展」の機能、3つ目が、調査や研究、教育の場を提供する「学術的研究支援」の機能です。
第2に、登録予定地域が次の3つの地域に区分されていることです。
1つ目が、自然を厳格に保護する「核心地域」、2つ目が、核心地域のバッファーとしての機能を果たす「緩衝地域」、3つ目が、人が定住し経済活動が行われる「移行地域」です。
第3に、保全管理の考え方が適切であること、第4に、管理運営体制が適切であること、などです。
また、評価された点としては、「生物多様性の保全」の機能は、「核心地域」及び「緩衝地域」において、南アルプス国立公園や、南アルプス南部光岳(てかりだけ)が森林生態系保護地域に指定され、法的・制度的に保護・保全されていること、「経済と社会の発展」の機能は、「移行地域」において、山地斜面に広がる集落景観が特徴的であり、風土を活かした茶の栽培が行われていること、「学術的研究支援」の機能は、自然環境や地域の歴史・文化を活かした環境教育が行われていること、「保全管理の考え方」や「管理運営体制」では、10市町村が共通理念をもって保全・活用に取組むことについて基本合意書を締結したこと、などが評価されました。

エコパークは井川地域においては自然景観のみならず、グリーンツーリズムなどの経済活動の基盤となることもわかりました。

しかし、現場に訪れた佐藤委員長ら専門家の説明では県内10.7kmを通過するリニアは全てトンネルで南アルプスの地下部分を通過し、水脈に与える影響や膨大な建設発生土が自然環境に影響を与えること。
その発生土に対し、狩野謙一教授は表層崩壊が至るところで起きており崩れ易い山に加え、堆積した土砂が一気に流れ、先日の大島のような土石流災害を引き起こす可能性がある、と強い懸念を示しておりました。

そこでお伺いいたしますが
③ 3県10市町村の学識経験者で構成する南アルプス総合学術検討委員会では、生態系や希少生物、水源、水脈など多岐に渡って意見が提出されています
静岡市域についてどのような意見を出されているのか伺います。

③3県10市町村の学識経験者で構成する南アルプス総合学術検討委員会では、静岡市域についてどのような意見を提出しているのか。

南アルプス総合学術検討委員会などから提出された意見の主なものは、第1に、「トンネル掘削によって生ずる発生土の置き場が土石流災害を増幅する危険がある」こと、第2に、「工事に伴い建設される構造物の景観への影響が懸念される」こと、第3に、「発生土置き場となる場所の植生が破壊されるなどの生態系への影響が生じる」こと、第4に、「地下水位の低下や流水量の増減がもたらす生態系への影響がある」こと、などです。
いずれも、環境保全の見地から意見を提出しています。

県環境影響評価審査会、会長の和田秀樹静岡大学理学研究科教授も「地中深くの土を長時間、地上に放置すれば酸化し、地下水や川の水、植物などに影響を与える恐れがある。」と
④ 田辺市長も専門家の意見と同じく環境への影響、ユネスコエコパーク登録への危惧を述べられております。市長の危惧することとはどんなことでしょうか

④報道にあった市長が言われる南アルプスユネスコエコパーク登録への危惧とは何か

学識経験者による「トンネル掘削発生土処理」、「生態系への影響」、「大井川の水量、水質の変化」に関する指摘については、特に、これら3つの指摘が審査基準に影響するおそれがあります。
しかし、現時点では事業者の対応が不明なことから、これらについて、適切な措置が講じられなければ、登録が保留となるのではないかと懸念しています。

10月12日「南アルプス世界自然遺産登録学術検討委員会」で
JR東海の環境影響評価準備書に対して佐藤委員長、静岡淡水魚研究会長の坂井隆彦委員は「調査の内容や期間が詳しくなく、科学性、客観性に欠ける」
NPO法人県自然史博物館ネットワーク副理事長の三宅隆委員は「建設発生土についてどこに、どれだけ捨てるとの記述がない。これでは意見が出せない」長島吉治井川山岳会会長は「具体的な工事内容が知りたい」と、出席した専門家7名から、JR東海に対して調査データ不足を理由に評価できないと指摘、また「学術的にも重要な調査結果があるはずで、第3者がみられるようにするべき」と述べられています。
では、
⑤ リニア中央新幹線環境影響評価準備書に記載されている評価の内容に対する資料が不足していることについて、どのように考えるか、伺います。
静岡市環境影響評価専門家会議の委員からは、主に次の2点について資料や説明が不足しているとの指摘がありました。
 1点目は、例えばボーリング調査については、調査箇所数しか記載されておらず、詳細な調査結果資料が掲載されていないなど、準備書に記載されている調査結果の基礎となる資料が不足しているとの指摘です。
 2点目は、評価結果において「事業者が実行可能な範囲内で環境影響を低減できる」などの記載がありますが、調査結果から何故そのような評価に至ったのかという説明が不足しているとの指摘です。

情報不足への対応についてはわかりました。
では、本年11月6日
3県学術検討委員会「昆虫、動物に影響」JR東海に意見書。
生態系に加えて、自然景観や地形に地質に与える影響も指摘。

11月8日
「リニア渇水」下流域懸念。リニア完成後に流量が毎秒2トン減少。
上水道を7市、63万人が利用する大井川広域水道企業団の水利権量と同じとJR側が公表。

11月26日
「トンネル掘削工事で大井川の水量が減り、渇水時に影響がでる」ことに対してJR東海は「工事後も流量観測を継続し、トンネルの湧水を河川に戻すなどの対策をする。水量減で保証する場合は公的指針で地権者と話あう」と回答。

私の意見として
まずは、専門家が適正な調査、評価ができる環境が必要と考える。
事実訪れた現場でも、建設発生土の処理予定地についてJR東海から市や専門家に現地案内をした経緯もなく、「環境影響評価準備書」で提供された情報不足の資料から推察するしかない状況でした。しっかりと専門家が意見を述べることができる情報の公開を求めていただきたい。

次に自然環境への影響です。
 開業2027年とすれば、今後13年間、二軒小屋付近でピーク時の7年後には工事用車両が日に480台が通過し、河川の上流に発生土を処分すれば水の濁りは生態系に影響を及ぼすのではと危惧せざるを得ない。

また、JR東海が云う、64万人分の水源の枯渇については静岡市だけの問題ではなく、志田榛原地域の各市町村とも意見交換が重要であります。
水は生命が存続する為に最も重要な資源で人間も例外ではない。

また、JR東海は住民説明会等において自然環境等に影響を与えた場合、漁協等に費用弁済をすると述べているそうだが、自然環境は経済的な保障では元には戻らない。

事実、ユネスコに提出する申請書の最終版にもトンネル掘削や残土処理などの人為的な自然環境への負荷が、大井川流域の植生や地下水脈の変化、自然景観に影響する懸念が挙げられている。

私と田辺市長との初めての出会いは環境問題についての意見交換でした。
価値観の転換を迎える今の時代において、市長
⑥ 静岡市環境影響評価専門家会議で適正・的確な審議を行うために、静岡市は事業者に対してどのような姿勢で望むのか。また、登録後、ユネスコエコパークの理念に基づき、どのように取り組んでゆくのか

準備書によりますと大井川上流部の二軒小屋下流で毎秒約2トンの水量が減少すると記載されています。1日量で172,800トンもの水量が減少し、下流域の水利用者約63万人に影響すると報道されています。
 自然と人間社会との共生を目指すユネスコエコパークにおいても、自然環境の保全に関する基本理念である「そこに住む人間が自然を守ろうとしなければ自然は守れない」という保全への強い意志が必要です。
豊かな自然からもたらされる恵みに対して、感謝の気持ちを持つことが自然を守ることにつながります。
南アルプスと井川地域の素晴らしい自然の潜在的な価値を掘り起し、磨き上げ、ユネスコエコパーク登録に繋げ、その価値を情報発信することによって、訪問者の増加をもたらし、さらに地域間の交流を盛んにすることで、地域を活性化させて、地域の振興に繋がっていきます。
そのような循環を作るために、最も大事なことは、南アルプスの自然の価値を守ることであり、そのために優先すべきことは、中央新幹線建設の長期間に亘る工事が、ユネスコエコパークの登録に影響を及ぼすことがないように対応していくことが最重要であると認識しています。
 そのため、事業者に対しましては、静岡市環境影響評価専門家会議の審査が適切、的確に進むよう準備書に記載されている以上の詳細な情報提供と、
 各委員が多様な視点で評価を行うことができるよう、的確な説明を強く求め、ユネスコエコパークの実現に向けた市長意見を形成してまいります。
一方、移行地域となる井川地域においては、観光基盤整備として、井川遊歩道をはじめ井川観光会館を整備するとともに、ソフト面においても、ホームページの多言語化、ツアーコースの造成などを行い、井川地域や南アルプスを訪れる方を迎える体制を整えてまいります。
今後、自然環境の保全と調和した地域の持続可能な発展を目指し、ユネスコエコパーク管理運営計画を策定してまいりますが、策定に当たっては、何よりも地域住民の積極的な関与が必要となります。
本市としては、そのヤル気を喚起し、その他関連する地権者、学識経験者、観光関連業者などの方々と共に、官民連携のもと、一丸となって推進してまいります。

<意見要望>
ぜひ、そのような姿勢で事業者に対しても望んで欲しい。
資料2をご覧ください。世界中で自然環境の保全の為に開発を中止したり、一方で開発したことによってエコパークの取り消しや認定の延期が相次いでおります。

リニア建設は30年も前からで周知のことではあるが、しかし今回のようにリニアを建設することにより自然環境に多大な影響を及ぼすことがわかっていながら、この場所に建設するのであれば、私は反対です。
市として長年取り組んできたことをぜひ進めて欲しい。

田辺市長と川勝県知事で「環境影響評価審査会の審議を踏まえ、遅くとも3月25日までにJR東海に意見表明する」との事ですが、環境影響評価の如何によって、将来世代に対する説得可能な責任ある政治家としての決断を下すこと事を市長に期待して質問を終わります。

<2回目>
次に大項目2、徳川家康公顕彰四百年事業と「家康公の時計」について質問させて頂きます。

ご答弁にもあった、世界で唯一のモノであることについて、昨年5月16日に大英博物館時計部門の責任者デービッド・トンプソンさんを招いて久能山東照宮で時計の調査を実施しました。
トンプソンさん曰く、千個の置時計、5千個の腕時計を所蔵する世界一の大英博物館であっても「これほど保存状態がいいもの、また四百年前の所有者がわかっているのは世界で唯一。大英博物館に飾りたい」「調査結果は世界に驚きを与えるだろう」と5月19日付の新聞でも述べられております。

その大英博物館の調査員が外部のモノを調査したということについてですが、
これまでに実は、僅かに2度のみ。
一つはエリザベス女王陛下から依頼のモノ、もう一つが今回の時計です。
 どれほどの価値か想像がつくでしょう。
その大英博物館の調査員が昨年の5月、久能山東照宮に訪れた際に
②市長も当局と久能山東照宮に訪れたそうですが、どのような言葉を交わし、市長はどのような関心をお持ちになったのか、伺います。
② 昨年5月、大英博物館の調査員が時計の検証に訪れた際、そこに立ち会った市長はどのよ
うな言葉を交わし、どのような関心を持ったのか。
また、その文化財としての価値をどのように活かすのがよいと思われるか。
  →・市長の言葉及び関心は別紙のとおりである。
   ・世界でも貴重な文化財であり、国宝に指定されることで交流人口は増加する。平成27年度に刊行する『久能山史』でまとめると共に、シンポジウムなどで情報提供する。

先ほどの調査に同席した、デービッド・アトキンソンさん(英国貴族で小西美術工藝舎会長兼社長 元ゴールドマンサックスアナリスト)は「文化財修理の将来、観光立国の実現」と題した講演の中で、産業革命を達成した70年代のイギリスでは製造業の空洞化が起こり、ポンド高と高失業率、財政難に陥るという今の日本と似た状況だったが、ここ30年で国が文化財を重視する方針に転換し、文化財を修理する産業が生まれ、イギリスでは文化財に関する産業が4番目の産業の地位を占めるまでになった、まさに「文化財は産業」と述べております。

ここ駿府も四百年前、同じように浅間神社の修復で日本中から職人があつまり、大御所時代に96ヶ町の町並みが整備され、当時人口12万人の世界最大の都市にまで発展したのが、ここ駿府、私たちの住む静岡市です。

市長も5Kと選挙で観光をキーワードとして取り上げましたが、観光として人が訪れる要素に、1にヒストリー、歴史、2にアクションで物語、3にリズムアンドテイスト、4にガールアンドギャンブル、5にサイトシーング、観光地。  
歴史、物語こそ最大の観光資源であり、歴史資源の宝庫である静岡市が使わない手はないんです。
では③家康公の時計の国宝化についてどのように考えるか、また先程述べた価値をどのように活かすのが良いと思われるか、伺います。
③ 国宝、世界文化遺産などの文化財が持つ観光資源としての効果として家康公の時計の国宝
化についてどのように考えるのか。
    →・国宝に指定されるのは、重要文化財のわずか10分の1程度で決して容易でないが、時計の国宝化への期待は大きく、市としてもスペイン本国に文献の照会をするなど支援をしてきた。歴史資源・観光資源としての「家康公の時計」をキーワードに、久能山をはじめとするゆかりの場所への誘客を目指す。

仰るとおり国宝指定にあたっては、「歴史的価値、その後の産業や時代にどのように影響を及ぼしたのか」が重要であります

まず、歴史への影響ですが
「大航海時代、日本の国際外交の始まり」を告げるものと同時に
今の日本という国が存続していなかったかもしれない歴史・物語として、当時の複雑な外交事情を物語る貴重な手がかりの一つでもあります。

この時計は友好の証として、スペインのフェリペ3世から使者としてビスカイノが持ってきました。その際にビスカイノは家康公にスペイン帝国の配下に付くように要請し、この当時の精密な時計も大国スペインの強大な権力を占めす証でした。
当時、ウイリアムアダムスから家康公はスペインがカトリック協会を相手国に布教し、戦争を仕掛ける時に宗教によって国民をスペイン側に寝返らせるという手法によって侵略するという手法を聞き、カトリックの布教を禁止をしました。
その後の3代家光公以降、カトリック、プロテスタントとの違いが分からずに一律キリスト教の禁止に至ったと言われています。

もし、そこでスペインの使者であるビスカイノがそのような態度をとらなかったら、もし家康公があのような毅然とした態度でカトリック協会を規制しなかったらと考えると、まさにひとつの時計が歴史を左右した貴重な文化遺産ではないでしょうか。
また、摩耗されないで現存した理由の一つに、このような反カトリックがあり、かえって良い保存状態を生んだのではないかとさえ思いました。

 また当時の日本文化ともつながります。
今でこそ、日本は1日24時間の時間割りですが、明治6年(1873年)、西洋と同じ24時間間の定時法を明治政府が採用するまで夜明けを明け六つ、日の入りを入り六つとして分け1刻は2~3時間、当時の日本の時計は夏と冬で一刻が異なる作りをしていたんです。
自然と共に暮らす日本独特の時間観念があって、家康公の時計も250年にわたってなんら実用性のない時計だったことも、よい保存状態であった歴史的経緯ではないでしょうか。

また、昨年11月22日、落合宮司が「家康公の時計」を国宝にと、大英博物館の報告書も添えて近藤誠一文化庁長官に要望したのを、NHKが全国放送で二番目のニュースとして取り上げられました。
それを見た川勝県知事も折に付け「家康公の時計」を国宝にするように全面的に協力してゆきましょう」と述べていました。
④市として四百年記念事業において、家康公の時計を国宝化へと世論喚起をすることについてどのように考えるか。
④ 家康公の時計について、四百年記念事業との関わりはあるのか。また、国宝化を進める世
論喚起は事業の目玉になると思うが、市としてどう考えるか。
→・家康公が進めた「平和外交」は、その功績を顕彰し、魅力を伝えるための重要なテーマであり、家康公の洋時計はそれを象徴する重要なコンテンツの一つであると考える。 
そのため、記念事業においては、市民の皆さん一人ひとりの家康公に対する誇りと郷土愛を醸成するための素材として、プレ事業及び平成27年の本事業において、さまざまな場所での活用とPRを図っていきたいと思っている。

要望として2点
ぜひ、本を読んでみて欲しい。この時計の貴重さと魅力がわかります。
もう一点は、「文化財は産業」という視点です。
ここ30年でイギリスで文化財に関する産業が4番目の産業の地位を占めるまでになった事を踏まえ、明日の静岡市の産業として取り組んでいただきたい。