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宮沢けいすけ KEISUKE MIYAZAWA

2014年6月17日

本会議質問  平成26年度の始めに取り組む質問は「人口問題」

日本の人口「移民で1億人維持可能」 政府、本格議論へ
ここで、ポイントを3点に絞ってみる。
① 将来人口が激減
外国からの移民を毎年20万人受け入れ、出生率も回復すれば100年後も人口は1億人超を保つことができる――。何もしなければ、2110年には4286万人に減る。 
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、日本の人口は2012年の1億2752万人から、100年後は3分の1程度に減る。内閣府は、移民を15年以降に年20万人受け入れ、1人の女性が一生に産む子供の平均数にあたる「合計特殊出生率」も人口が維持できる水準とされる2・07に上がるケースを想定して人口を推計した。
(このままゆけば、自治体も半数が消滅するとしている。)

② 超高齢化による弊害
日本の総人口(13年)は1億2730万人。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、48年には1億人を割り込み、60年には約3割減の8674万人になる。65歳以上の占める割合も13年の25.1%から、60年に39.9%にまで拡大する。
 中間報告は「社会・経済の抜本改革をしなければ国際的地位や国民生活の水準が低下し、社会保障給付が増加して財政破綻を招く」と指摘。
 つまり、現在の若年層は将来、増加する高齢者に加えて、増えてくる子供についても、その生活を支えなければならず、彼等の社会的・経済的負担は非常に重くなる。

③ 少子化対策
30年に出生率を2.07に引き上げ、同水準を維持することで60年人口を1億545万人程度にするとしている。65歳以上の割合も33%に抑えるという。(出典:2014年2月25日朝日新聞/政府将来人口予測)
 
これらの数字を提示した増田ショック(日本創成会議の増田寛也座長(元総務相))発表以来、政府の経済財政諮問会議(「選択する未来委員会」)で話し合われ、1990年から既に警笛を鳴らされていた人口問題にここ最近では政府も真剣に取り組む姿勢を見せている。

 では、この日本において最も重要な課題の一つとされる、人口減少問題について原因を1:政治、2:少子化=結婚、3:価値観の3点から考えてみたい。
 
1:政治
 「政府指導で人口の増減は決まるか?」の問いに答えはYESである。
・人口増加政策 
戦前の日本は富国強兵という人口増加政策により、地租改正や殖産興業で経済力をつけ(=富国)、徴兵制や軍制改革により軍備を増強(=強兵)することで西洋列強に伍する力をつけようとしました。その為には兵士となる男子をたくさん産んで、お国に役立つ人間となるように育てるのが当時の女性の務めとされていました。
 
・人口抑制策
実は1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していました。同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制に努力することを主張しています。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからです。象徴的なのが同年に開催された日本人口会議。人口問題研究会が主催し、厚生省と外務省が後援した会議では、「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択しました。
(上智大学経済学部(歴史人口学)鬼頭宏教授)

人口政策はお隣の中国を見ていてもわかるように、実施当時の状況と30年後のひと世代後の状況を考えないと人口構造の歪みを形成してしまう。

 そして今度、政府が人口を増やす政策として議論しているのが、「移民政策」や「少子化対策」である。

2:少子化=結婚
 次に政府の考える想定に「ちょっと待った」を言いたい。
人口減少を防ぐのはに少子化対策か、移民のように人を受け入れるしかない。 少子化対策では、日本の場合結婚した男女に生まれる子どもが98%であり、尚且つ既婚者の出生率は比較的2(子どもが2人が生まれる)に近い。
だから、みんな結婚すればいいのだが、そう上手くは行かない。

現在、男性の未婚率は約18%、それがこのままの推移でゆくと、2030年には40%近くの男性が未婚という予想が出ている。女性の場合い、再婚も視野に入れると男性ほどではないが、それでも常用傾向にある。

 この結婚しない理由として、未婚者へのアンケート調査では、1位「出会いがない=理想の相手に巡り合わない」、2位「経済的な理由」である。
ここで、地方では「出会いの場をつくろう」、「政府は結婚させよう」しているし、経済的な解決策も模索している。それはそれでいいのだが、本当にそうなのかが私には疑問である。

結婚率を調べると、田舎の方が高く、都市部、特に東京では未婚者が多く、出生率が低い。
出会いがあるとすれば、若い男女が集う東京都がダントツで、地方は限りなく難しくなる。結婚したから地方に残ったのか、残ったから結婚できたのかは調査できていないが、現状としてそうなっている。
また、経済的な理由であれば東京などの首都圏は地方に比べてひとりあたりの所得はダントツで高い。しかし、所得水準が低い地域の方が出生率、結婚率も高くなっている。収入に対する支出費までは算出していないが、東京在住の若者の方が平均で多いことは確かである。

だとすると、結婚しない理由は出会いがない、所得が低いという未婚者のアンケートは正確ではないのではないかと考えられる。

ここで、移民政策と絡めて所得の問題を提起したい。
経済的な理由とすれば正規社員(30~35歳)の配偶者率約59.3%に対して、非正規は28.5であることから、若者の雇用の処遇の改善が必要だが、ここで、問題なのが外国人労働者、移民労働者の受け入れである。
特に、現場作業員や福祉介護関係、運送業で労働者が足りていないとするが、これは特に東京に偏っている。今、外国の低賃金で働く労働者を入れれば、建設現場や介護でプライドを持って働いているが、賃金が上がらない人との競争になり、低賃金、無職へとなる可能性が高い。
受給バランスで言えば、労働力の足りない分野では労働賃金が正規職員にまで、上昇するまで移民は入れるべきではない。
これまで、大手企業は安い労働力を求めて、海外に進出した。今度は更に一歩進んで、安い労働力を海外から日本に輸入するとどうなるか。国民の所得を増やそうとする国の政策に逆行する。
ヨーロッパではマイスターとして職人を生かしている。全ての職人がそうとは言えないが、人も文化芸術であり、人が国家を作っていると私は考えている。
 

3:価値観
次に何が少子化を助長し、人口問題を拡大させているのか。ここでも3点に絞って考えたい。

① シルバー民主主義
少子化を助長し、拡大させているというと刺激的かも知れないが、民主主義の限界ではないかと思っている。シルバー民主主義とは高齢者層が人口層の中で大きな割合を占めると、政治要望においての圧力となり、シルバー世代の要望に偏った政策になるという見方である。
実際に、GDPに占める若者世代への投資額は日本が0.8%程度に対して、欧州では3%程度と異なっている。
ひとりが一人を支える時代がすぐそこまで来ているのに対して、すでに予算は高齢者中心になっているのだから、このような予算配分についても、日本の少子化が進まない理由の一つとされている。

② 価値観の多様性
「子を産み、育てろ」と政府が言うべきなのか。この問題は非常にナイーブな問題である。
政府調査とは別に、民間、生活トレンド調査によると「結婚しない」「結婚願望がない」と答えた女性のトップは「他人と暮らすのが面倒だから」(45.2%)、次いで「出会いがない」であった。
他人と暮らす面倒さはもちろんあるが、それにも増して、子どもの成長や家族での楽しみもある筈だ。
なぜ、そのような感性になってしまうのか、インドネシアの貧困から、自給自足の種子島、オーストラリアの自然と共に生きる生活を通じて、私は若年層が集まる東京などは子育てする環境ではないからだと考える。
現に、生物学的な実験で、子マウスを使った実験ではコンクリートの箱と木造の箱で130匹の生後2週間の子マウスの生存実験をしたら、木箱での子マウスの生存率90%に対して、コンクリート箱での子マウスの生存率は15%程度であった(静岡大学で研究)。
また、イギリスでは国の法律で4階建て以上コンクリートマンションの部屋での妊婦の生活や幼児保育を禁止している。
私の住んでいた、種子島では、常に自然が身近にあり、食べるものも目の前にたくさんあり、出会いも少なく、給与も少ないが生活の不安はさほど感じなかった。
人が人らしく生きるということをもう少し見直さなければ少子化の根本的な解決にならないと思っている。

③ 適正人口
その上で、人口の適正規模をどう考えるか。
戦後の成長期の人口増加が続けば「2100年には人口が3億5000万人になっていただろう」と云われている。多ければいいのか、少なくなることがなぜ問題なのかを議論していない。
この議論は難しいところであり、国もなぜ1億人なのかという明確な理由は示せていない。
唯一あるのは、このまま人口が減少すれば同一の行政サービスを享受できないということは明らかである。
一気に増えすぎた人口に対して、今の65歳以上の方を見ると全然高齢者ではない。
高齢者の定義も昭和30年代、平均寿命が55歳のときに出来た言葉だ。
今の平均寿命は80歳を超えている。その意味からすれば、65歳以上も高齢者ではなくて、65歳を超えても元気な方はピンピンコロリンと生きがいを持って、活躍してもらえる社会をつくることが重要ではないか。
例えばであるが、昭和30年当時の高齢者の位置づけに合わせて80歳以上が高齢者にすると、社会的負担は随分と変わる。

少子化については、子どもが子供らしく、夢が持てる社会にする為に、教育や子どもを取り巻く環境を改善するべきだ。なんたって、外で遊ぶ公園は高齢者が独占に、ボール使用禁止の看板である。そして夢は公務員。公務員になって(公務員は素晴らしい仕事であるが)、「安定して老後を迎えることがいい人生」という教育自体問題ではないだろうか。

つらつらと取り留めもないことを書いたが、人口問題について今後も調査をしてみたい。
そんな気持ちから、国のデータではなく、静岡市を取り巻く人口減少の実態について、本会議で質問致しますので、ぜひ、お時間のある方は傍聴ください。

【2】 本会議質問 「静岡市における人口問題の現状と対策について」
 質問では、静岡市における人口目標や高齢者の活躍をどう活かすか。
 少子化の実態などについて伺います。
 
質問日時:6月23日14時から

会場  :市役所本館3階 傍聴席
    
参加  :事前の予約不要、服装、入退場も自由です。
     お気軽にお越しください。

6月議会質問骨子
【1回目】
1 静岡市の人口問題の現状について
(1)人口減少の現状について
(2)超高齢社会の現状について

【2回目】
2 静岡市の人口問題への対策について
(1)人口減少への対策について
(2)超高齢社会への対策について

【3回目】 
 意見・要望

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