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宮沢けいすけ KEISUKE MIYAZAWA

2014年2月4日

2013年1月31日 遠野市視察報告

「遠野市の後方支援について」

本田俊秋市長より報告を受けた

 

<来るべくして起きた震災>

東日本大震災、津波は90%以上の確率で来ると言われていた。

 

116ある遠野物語の第99番目に津波の物語が掲載されている。

田老町も当時、消えたまちのひとつであった。

1世紀かけて、世界一強いまちづくりを掲げてたが、また津波で無くなってしまった。

 

あるコラムに「津波で流されて大変だ。どうしてくれるんだ」といった掲載があったが、ある学者はこう切り替えした「90%以上、津波が来ると言われている場所に立てた責任はどうするんだ」と。

どこかで意識が風化したのでは。

明治三陸沖地震から37年、昭和3年に3,000名の犠牲者を出した。

真夜中の1時半にきた地震に対して、記憶に残っていて逃げた結果、このような犠牲者で済んだのではないかと。

明治三陸19時から19時半に津波が押し寄せた。

家族団らんの時間で、家族全滅した。

 

今回の東日本大震災は昼間の時間であった。

エネルギーの割には被害が少なかったと考える。

 

 

<地理的優位>

遠野市は盛岡市や花巻から40kmが遠野、そこから50kmで太平洋岸というちょうど

真ん中に位置する地形から、遠野は昔から交通の要衝であった。

そして、花崗岩であり、地盤も強かったこと、活断層がないことから明治三陸沖地震やチリ地震の際に後方支援活動を行っていた。

 

遠野は年間予算180億円、税収で22億円、あとは交付税に頼るしかない、

そのため、ヘリポートの建設やハコモノに費やすお金がなかった。

そこで、2007年、太平洋岸の震災に対する後方支援の用地としてグラウンド近くの幹線道路沿いに消防本部を移転した。

その後方支援としての提案書を持って各自治体をまわった。

そうしたら「体育館がないからやりたいのか」という自治体もあった。

海がない遠野がなぜ、そんな事を申し出るのかともいわれた。

 

 

「構想から実践へ」

自衛隊宗像さんに遠野市長が提案書を持ってきた際に、市町村が持ってきたのは初めてだ、これは県や国の仕事ではないかとも言われたが、その年に実施した。

参加者は18000名、2300台の車両に航空機43機、町内からも自主防災からみんなが参加した。(ちなみに遠野市の人口は29000名である)

 

岩手県では13市が持ち回りで平成19年にちょうど遠野市があたり、地震を想定しての

訓練、震度5以上であれば日本海溝で津波が発生する、津波災害を想定した防災訓練メニューをいれて欲しいと岩手県に申し出たのである。

その際には海のない遠野市では必要ないことだろうとも言われたが必要性を訴え、津波災害を想定した訓練をこの平成19年に実施できたのである。

 

 

<東日本大震災では>

遠野市庁舎も柱が座屈し、全て庁舎が沈んでしまった。

幸いにもけが人はでなかったが、3月12日には自衛隊の一大基地となっていた。3年前の訓練があったおかげであった。

3月11日も15時には「運動公園を解放しろ、自衛隊が来るぞ」と指示し、動けたのも訓練の賜物であった。

 

静岡県、危機管理部に静岡県下の市町村が岩手県各市町に支援に入った情報を得るべく、

遠野市長の横に座ってもらい指示を仰いだ。

 

<災害基本法>

被災地からの要請があって支援に動くのが前提であったが、今回の東日本大震災のように市長も職員もなくなってしまった場合に要請を出すことが出来ない。

そこで、自らが情報を収集して迅速に支援をおこなった。

 

職員を派遣する市長としての責任がのしかかる。

 

自然のエネルギーはとてつもない、防災という考えから減災という考えも大切ではないか。

 

 

<宮澤。市長への質問>

自衛隊に要望書を持って行った相手とその対応はとは。

自衛隊の駐屯地のトップである宗像さんに話をして、その人が迅速に対応して共同訓練を実施してくれなかったら今回の後方支援は出来ていなかった。そのきっかけは大きい。

 

 

「静岡市政への反映について」

静岡市も80%の確率で東海地震が、南海トラフ3連動大地震が起きることも想定されるようになっている中で、今回の視察は非常に参考になった。

私も東日本大震災が発生後7日目に現地入りしたが、支援物資や被害状況の情報などは現地にゆかなければ入らない状態であった。そこで、まず被害を想定してどの程度訓練を行ってこれたかが重要である。

以前、支援物資の後方支援策として山梨県や第2東名のSAに支援物資を集約し、そこから市内の被災地に輸送する案をトラック協会と市へ提言。それらのことを踏まえ、静岡市トラック協会と静岡市で災害支援協定を締結するに至ったが、今回の視察を受けて、現実的に後方支援の拠点となる市町村等を定め、自衛隊と連携して静岡市はいち早く、大規模な災害訓練と実施するべきである。その検証でまた多くの課題が見つかると共に、有事の際にひとりでも多くの大切な命を救うことができればと思う。

今後は市へ働きかけると同時に、議会としても自衛隊に要望を提出する事も思案するべきと考える。(2年前に下大谷線を使用して自衛隊車両の通行調査は行ったがより広域で実施するべきと考えている。)

 

出典:静岡市議会静翔会視察 配布資料 平成26年1月31日

 

 

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