宮沢けいすけ KEISUKE MIYAZAWA
2011年6月13日
有機無農薬の農業先進国 CUBA
アメリカによる経済封鎖
国営に頼る経営から非効率的な農業形態が続き、生産性も低下。
耕作放棄地の増加や農薬や単一作物の生産で荒れる農地もあった
政策の失敗により、食料品価格の急激な上昇により、収入の半分を食費に
充てている家族も少なくない
CUBAは以前までは食糧はほぼ配給で賄われていたが、
現在は以前に比べれば配給の量は半分になっている。
それで2000年頃から取り組みが始まったのが、有機無農薬栽培だ
生産量は化学肥料や農薬を使っていたころから比べると若干は低下するが
肥料や農薬代金がかからない為、収益率は格段に上がっている
私が訪れたアラマール有機農業はオルガノポ二コと呼ばれる農場のひとつ
そこのサルシネス所長に話を伺った
1997年に開始し、従業員は当初5名から今は170名
国の農業省で20年間研究してきた経緯もあり、国から農地を
借り受けて生産をしている
借地料金は地域の小学校や幼稚園に生産した野菜を提供する事である
もともと、キューバでは軍隊が自給自足を行える為に有機農業を
研究していた。そこに経済危機も加わり、有機無農薬に
国としても転換を指示、1100万人の胃袋を有機野菜で賄う
政策を打ち出した
経済崩壊前はキューバの農業も機械優先、輸出メインであったが
(革命前はアメリカ支配下の下で砂糖のみ生産)、有機になり、
地域で消費、手作業が多くなり雇用も産まれた
この農場で働く170名のうち、45名は女性、60%が退職者で働く意欲
生産する生きがいも得ており、また若い人も多い。また7名の専門家も
ここで研究を行っている
就労時間は1日6時間、7時から13時まで
8時と仕事終りに食事も出る
年に一度の1か月のバケーションもある
日曜、土曜隔週休みで 保険やボーナスも完備
給与は一般の平均給与の3倍で
仕事が終わってから各種セミナーや大学に通い、自分のスキルアップに
務める人も多い。
また、女性には月に2度の美容院とネイルサロン、男性は一度の床屋も
通わせてくれたり、月に1,2日は所用で休むこともできる
ここで生産された売り上げの半分を農場の運営に
役職ごとの基本給と勤続年数に応じた給与を支払い
さらに残った売り上げを従業員で再分配される
サルシネス所長は人間がもっとも大切だと、笑顔で語る
また、ガソリンはもっと高騰し、自然保護に関する関心も高まり
農薬も使いにくくなるだろう
タバコのケースにはガンになると明記されているが
野菜に使われる化学肥料や農薬はガンの原因とされ、毎日のように
口に入れるのに
なぜ明記されない
サトウキビの畑が自然に帰るのに25年かかります
一番大切な事は自然と共に有る事と、技術を向上させる事だと述べる
この農園では300種もの農産物を生産し、同じ場所で同じものは
作らない
土はミミズが作り、ひまわりで害虫を防ぎ、
水の鉄分を磁石で取り除き、ソーラークッカーで加工品を
作る。
最高においしかった無農薬有機のマンゴーはそれでもひとつ
100円だった。
「ノーベル賞を取った農業学者は居るか」と訪ねられた
農業ほど大切なモノはないと云いながら、一人もいないと
云う、サルシネスさん。
彼がもしかしたら、世界で初のノーベル農業学賞?を受賞する
人物かも知れないと思った