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宮沢けいすけ KEISUKE MIYAZAWA

2014年6月2日

5月29日 日本一の障がい者雇用率を誇る株式会社つくし更生会を視察

株式会社 障がい者つくし更生会

対応者 専務取締役 那波和夫さん

 

5月29日視察当日は現場を1時間、レクチャー1時間程、計2時間の視察であった。

以下、視察及びレクチャー時の記録である。

 

<分別現場視察>

○ペットボトルの仕分け

構成:健常者、障がい者1、シルバー6

周辺3市から使用済みペットボトルが搬入、1日/2t

ひとつ17kgの圧縮したペットボトルのパレット積みが100コできる

 

○ 最終処分場

陶器くず、ガラスくずのみ。メタンガス排出用の配管を設置するも一切の有価物がない関係でガスは出ない。当初、平成21年に処分場がいっぱいになる予定で設計したが、平成35年でもいっぱいにならないほど、分別を徹底し、最終処分場の延命につなげている。

 

○燃えないゴミの分別作業

70品目を区別、17品目にまで分別し、リサイクル

○説明を通じて、やる気をアップさせる

ペットボトルの仕分けや分別の説明にしても、知的障害の方が行っていた。はじめ説明をさせようとすると「できません」であった。家族もそのように見ていた。

周りがどうみるか、本人の希望を鵜呑みにしないこと。

両親自体も説明を通じて、成長したことに驚いた。

母親からは「あなたは宝物になった」と。

 

○育成の手法

ここで働くひとは自分の仕事にやりがいがある。

チームを編成して、仕事をさせることで会話をする。その人に合った形で職場を変更させることもしている。

 

○障害と考えない

説明を聞いていて、分別作業の取り組みや最終処分場の延命手法などの話は詳しく出たが、障がいの度合いについてはほとんど説明がなかった。その理由は「障がいを持つ」ということを考えないから、言わなかったのである。

 

<レクチャー>

○働く障がい者の現状

38名中、重度障害を含めて31名が障がい者。健常者は7名。

障がい者の給与:試用期間3ヶ月 135,000円

試用期間終了後 145,000円

別途、通勤手当て、住宅手当

8:30~17:00までの労働時間

コンビニ、時給750円で働いて年間収入あ135万円

ここでの最低の受け取り給与は日勤で230万円。

 

○行政からの委託事業について

現在は数年間の随意契約となっている。が、入札を行う際にも他社と同じように見積もりを提出。プラントの管理、人件費、などである。

ちなみに、プラントの稼働率であるが、徹底した分別を行うことで月20日以上稼働させていた大型破砕機も月に2度の使用になり、電気代の支出が激減した。

このように、一般でもかなわない経営によって仕事を自らの力で掴み取っている。

 

○障がい者雇用について

・そのひとは何ができてなにができないのか、何が伸びるのかを知った上でチームを編成

している。

・社員が入社してよかったと言ってくれている。みんなからの「ありがとう」がやりがいに変わる

・面接:自分のことを言えない人が多い。

ひとりの採用に対して、何十人もの応募がある。そのうち、6名まで絞り込んで、一時間

以上の面接を実施、この人と65歳まで付き合うことができるか、イメージが持てるかどうかを見極める。社員も変化をしてもらえるイメージである。

・人の喜びを自分の喜びに変えることができるかどうか。育てられ方によって、そうでない生き方をしてきてしまっても変われるかどうか

・だれからも、修正させられることもなく、気付かせてもらえなかっただけかもしれない。教育や環境がなかったのだろう。

 

□ この活動は他にもっと広がってほしい。

その人たちを雇ってもらえるキャパはある。

 

□ 離職者がいない。また嫌だからといっても離職させないように話もしている。

 

・健常者も障がい者も同じである。

嫌なところやできないところを見るのではなくて、いいところやできるところを見る。

 

○ 雇用環境

・資格も山ほど取らせている。

・危険な作業でも怪我がない。

・一番大切なことは人間関係。利益を出すには売上を伸ばすか、コストを減らす。

ここでは精神的コストを改善すると、ほかも良くなることを実証し、改善している。

注意をするさいに、「僕が信用できますか」と訪ねている。信用されていなければ解決はできない。

○ 現状の福祉の問題

・福祉の人は障がい者にお金を払って仕事をしてもらっているのではない。

補助金としてもらう側である。

・福祉の方には雇用者側という経験もない、なので無理もないが企業へのアドバイスで

は役に立たないこともある。(数ヶ月で離職したり、より難しく説明している)

 

○ 考え方

つくし更生会の重度障害者の雇用率は40%である。また全体で8割の職員が障害者。

従業員2000人の大企業であれば、2%の障がい者を雇っても40名である。なぜ、38名中31名ができて、健常者1960名に対して、2000名中40名ができないのか。

・そもそも、障がい者という言葉がつくし更生会にはない。社長も車椅子である。

ノーマライゼーションやバリアフリーも知らない

・ハローワークでは嫌な話しかしない。私たちは一緒にやってよかったという話をしている。

 

・人間関係、会社を伸ばしたかったら人が育たなければ会社は伸びない。

静岡市政への反映

① 強制ではなく、現実に障がい者雇用はできるということを従業員50名以上の企業に伝えること。市も関係して、このような企業を取り上げてシンポジウムをしてはどうか。結果、市の民生費の抑制にもなり、合わせて、障がいをもつ人たちの生きがいにもつながってゆく。

② 人はだれもが、障がいを持って最後には死にゆく運命である。障がい、健常者関係なく、生き生きと生活することができる社会をつくることは市にとって最優先の取り組みであり、積極的に市も関わることを目指したい。

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