宮沢けいすけ KEISUKE MIYAZAWA
2011年8月27日
22日、23日 祝島、大洲城を訪れる
祝島 ①自給自足の地域
②酪農と有機農業との連携
③持続可能な漁業の取り組み
④全国から注目の観光地
大洲市⑤大洲城再建について
⑥観光への取り組み
4 内容 (調査事項・調査結果を具体的に)
① 自給自足可能な島を目指して
祝島から対岸に上関町と中国電力が建設を進める上関原発に反対運動を30年以上続けて行っている。そのデモ行進は1100回に及び、島民の力で何とか原発建設を遅らせている。
この祝島から上関の対岸に渡る瀬戸内海にはここでしか生息していない貴重な生物や、他地域で絶滅してしまった生き物が多く性そしており、生物多様性のホットスポットとして生物研究者からも認知されている場所である。
多くの島民は漁業、農業、酪農を助け合いながら続けている。
1200年前に住みついた彼らの祖先は切り立った岩山を削り、土を起こし、棚田を形成し、斜面に集落を築いた。
高齢化や人口減少が進む中、その先祖から受け継いだ自然豊かな地を後世に豊かな状況で引き継ぐ事を求め、電力会社からの漁業補償を一切受け取らなかったのである。
そして今、環境エネルギー政策研究所の飯田所長も訪れて、エネルギー100%自給自足を目指す島として注目を集める。
また、島は最近放映された「祝い島」、鎌仲監督の「祝島」と映画にも取り上げられる地域として有名で、現在は観光客が絶えない状況だ。しかし、島の伝統と文化を守る姿はこれまでの人寄せ観光とは異なる姿を拝見させて頂いた。
②酪農と有機農業の取り組み
人で不足で耕作放棄地になるのは祝島とて例外ではない。その対応として取り組まれているのが耕作放棄地の周りに太陽光発電で作った電気をバッテリーに蓄え、電極を流し、その枠内にブタを飼っている。その豚が雑草を食べ、糞尿や足で土地を耕す。
しばらくブタを離したら別の地に放牧し、土地を耕す。そこにお米を作っている。なので肥料も天然で除草剤も一切使っていない。
ブタの餌は雑草以外に島内の残飯を全て与えているため、有機肥料を食べている豚はベーコンにして東京の高級店出荷されている。
島の生ごみを豚が食べて、島自体のゴミの減量化にも繋がっている。
③ 漁魚は無作為に取らない事が前提になっており、それぞれの魚に合わせて短い漁期が決まっている。なので、その時期の旬のモノだけを食べており、自然と共存している
④ これらの事から3件ある民宿は常に一杯で、全国から視察者、観光客が観えている。どこでも同じことをすることが観光ではない事を再認識した。
⑤ 大洲城再建
1610年に建設され、後に加藤家、最後は大日本栄盛会が所有。1888年に維持管理の負担から取り壊されたが、明治8年の頃の写真、当時の建設時に作成された模型も存在し、文部科学省の認可を得て史実に基づいて再建された最も新しい城である。
愛媛県には100名上の内5つが存在し、その中で天主台から現在では最も高さのある城である。
また、建設については15億の建設費のうち、5億円を市民からの寄付で賄っている。また、総建設費は本来20~30億であったが、木材の寄付やかわら1枚寄付など、金銭の寄付以外にも多くの協力を得て、総国産木造4階建てで15億と割安の建設費になっている。
その木材は9割が地元からであり、その半分が地元からの寄付。
来場者は29万5千人を突破。関わった方や来場者の顔を模型の人形に当てるなど、ユニーク且つ親しみを感じる取り組みも細部に工夫されていた。
和釘()は特別に作り、伝統的工法、史実に基づいて建設された大洲城は技術においては総理大臣賞、取り組みについては2006年日本建築学会賞を受賞するなどその功績は高く評価されている。
⑥観光への取り組み
小京都と呼ばれる大洲旧市街の街並みは映画「おはなはん」のロケ地としても活用され、今でもかんこうPRの一翼をになっている。
また、大洲城と並び狩野川沿いにある臥龍山荘はミシュランに選ばれるほどの明治の名建築物であり、日本の心を思い起こしてくれる。
成果・市政への反映等
① 自給自足可能な島を目指して
静岡県は県民所得が日本第3位。持家件数も多く、太陽光発電については15,200件の設置で全国第6位。
面積の78%が山林、日本でも有数の急峻な河川、外洋に面する御前崎は世界から認められる風の大地。その沖合、遠州灘には世界が注目するメタンハイドレ―ドの産出試験が行われております。
太陽光、バイオマス、小水力、風力、洋上風力、メタンハイドレード
静岡県は新エネルギーの宝庫です。エネルギー資源の宝庫である。
また、駿河湾には2300種に及ぶ多様な生物が生息し、豊かな山林を保有する。持続可能な自給自足をするに十分足る地域である。
まず、民間活力を利用してのエネルギー自給を目指す
そして、自然資源の有効的利用を進め循環型社会を作る
② 酪農と有機では
久能地区では高齢化も進み、耕作放棄地が増えている
ブタを放ち、耕作放棄地を改善し、余った食材で地域が育てる仕組みを構築したい。合わせて、日当たりの良い斜面については太陽光発電を導入したい
③ 漁業
漁師からも相談を受けている
市内の漁業で桜エビが持続可能とされているが、他の分野についても
検討するべきである。ただし、シラスなどは流動的な生息域を持つ事から1市で取り組むことが適切であるか、思案する
⑤ 大洲城の取り組み
駿府城建設を進める為には、街全体での取り組みが求められる
また、史実に基づいてとされる城の再建だが国からの支援があまりあるとは思えない。合わせて、縛りが多く、現状の資料では再建が厳しいと思われる。全く違った、観光の面での必要性を住民に理解して頂く必要もある。大洲城の再建についても反対派があったが、住民での盛り上がりが反対者も賛成に取りこめた
世論形成の手法を模索したい