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裁判後のご報告

今回の一連のこと、皆様方にはご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。判決から3カ月、ようやく心の落ち着きを取り戻し、自分を見つめ直すことができるようになりました。すぐにでも皆様へ報告するべきところ、ご報告が遅れたこと重ねてお詫び申し上げます。

先般、平成27年12月9日の静岡地裁にて、4月12日投票の静岡市長選挙において、「利害誘導周旋」と「事後買収及び事前運動」の公職選挙法違反をしたとして「懲役1年6ヶ月、執行猶予5年」の判決と合わせて「5年間の公民権停止」が言い渡されました。
選挙の事前運動とは何かの解釈が定まらない現行公職選挙法には無罪であることを公判中は主張してまいりました。主張の内容は昨年11月にお送りいたしました「結審を終えて」の通りです。
判決を不服として、事の正否を更に問うのであれば上級審に審判を仰ぐことが正道とは考えましたが、一方、現実の私の環境を思うと、長期間の裁判による空白の政治活動期間、限りある人生、これらを背負うに私一人では過大過ぎる感じがしました。今は刑に服し、5年後の公民権停止が解除された後には、再び人の役に立てる政治活動に復帰したい、そんな思いを強くしました。

静岡市をもっと元気に、市政をもっと活発に、との意気込みで高田とも子候補の応援にボランティアとして積極的に参画しました。ベテラン選挙アドバイザーの選挙指南には画期的だと目を見張る思いもしました。
結果は落選、更に私自身に選挙買収の汚名をかけられる羽目になりました。金銭一切授受のないボランティアであるのに、この汚名は無念極まりないものでした。
一方、自分自身の世間知らず、公職選挙法の現実的運用に対する認識不足を思い知らされました。

汚名をそそぐ、雪辱を果たしたいとの思いは強くありますが、このエネルギーを次への飛躍に注ぎ、自分自身の内面の充実、政治の基本の勉強、自分自身を今よりも更にグレードアップしていきたいと思うようになりました。
これまで私を応援して下さった皆様には今回の件、誠に申し訳なく思っています。私の不始末から議員を辞し、皆様の期待に添えなくなったことお詫び申し上げる次第です。これからの5年間、皆様の信頼に足ると思われるように努力して参ります。

2016年3月31日 宮沢圭輔

判決を終えて 

ご報告 これまで応援して頂いた皆様、静岡市民にご心配とお騒がせ致しましたことに対し、お詫びを申し上げます。 12月9日の裁判最終日、私宮澤圭輔に対し「求刑1年6ヶ月、執行猶予5年」の刑が言い渡され、同時に公民権(選挙権及び被選挙権)も執行猶予期間と同等の5年間の停止期間とされました。 判決理由は「利害誘導周旋」と「事後買収及び事前運動」からなる公職選挙法違反によるものとされました。 その後の12月11日に静岡市議会議長に対して議員辞職の旨を提出、同月14日の静岡市議会12月定例会において議員辞職が受理。 翌15日、静岡地方裁判所に「上訴棄却申立通知書」を提出し、刑が確定するに至りました。 これまで約7年間に渡る議員活動を支えて頂いた皆様や一緒になって地域の課題や問題を改善しようと汗を流した皆様、道半ばでこのような結果になり、私自身も残念でなりません。 無罪を主張してきたこともあり、裁判を継続して続けることも考えましたが、本件の結果を真摯に受け止め、5年間の業務停止期間は自分と向き合い、勉強を重ね、この先の政治活動に活かすことができるよう、日々努力して参ります。 2016年1月21日 宮澤 圭輔 添付資料は昨年度末に本件を総括した新聞記事(静岡新聞・産経新聞)になります。  

裁判の結審を終えて ご報告

裁判の結審を終えて               平成27年11月18日 多くの方にご迷惑とご心配をおかけしていることをお詫び申し上げます。 本年5月6日に静岡市長選挙において、公職選挙法違反容疑で逮捕、静岡中央警察署に43日間拘留の後、静岡地方裁判所にて起訴されました。6月16日の保釈後、7月24日初公判、一貫して無罪を主張、10月14日結審となり、12月9日判決の言渡しの予定となっています。 以下に、無罪を主張した私の心情を記載しました。  第一に、金銭の授受は一切ありません。 5月7日逮捕当時に私が500万円を業者に支払ったとする誤報がありました。 また、皆様もご存じのように、私自身はこれまでボランティア選挙を実施してきていました。選挙期間中、一円たりとも金銭の授受はありません。まして、他の人の選挙で私が買収行為をする理由や動機、必要性もありません。  第二に、違法行為はありません。 今回、警察側が違法とする根拠一つ目は選挙名・期日の記載がある違法なビラを街頭で配布したこと。 二つ目に、告示前に配布したビラを受け取った人が「頑張ってね。投票するわね」と返事をしたこと、としています。しかしながらこのビラに関し、取調べの警察官は「大変、良くできたビラで違法ではない」と述べ、一方で選挙名の記載があるビラが通常告示前に配布されている事実があります。 それにも関わらず、なぜ今回だけ違法とされたのか。 政治活動と選挙活動の区分が難しいのが現実です。我々の今回のアルバイトによるビラ配りは選挙活動ではなく、政治活動としておこないました。  第三に、警察の警告に従っても、なお異例の逮捕。 違法行為を繰り返したことはありません。警察から違反との警告のあった3月13日の当日、アルバイトによるビラ配布は即刻取り止め、その後、弁護士及び事務局長が警察署から通告を受けた是正の指示に従い、改めて数十万枚のビラを作り直し、十日後に配布しました。 公職選挙法には昭和35年から警告制度が設けられていますが、今回のように警告に従ったにも拘わらず逮捕されるケースは初めてではないかと思います。 第四に、違法行為を企てることや業者と共謀・相談した事実はありません。 今回の一連の活動は、選挙のベテランと云われている選挙プランナーの指示のもと、全幅の信頼をおいて選対全体が動いていました。私もその指示を受けて業者を探し連絡を取りました。 まず、検察は「私が違法なビラを業者と共に配布させた」としていますが、ビラの作成自体に私は関わっていません。選挙プランナーが一手にビラを作成しました。 また、選対会議の中、プランナーの指示にも、私と業者とのやり取りの記録にも、選挙違反を企てるような記録は一切ありません。 第五に、市長選への思いは静岡市の刷新です。 政治は常に新しい挑戦者の選挙という選択肢がなければ、私は良くならないと思っています。今回の選挙も、関わったメンバーのひとりひとりが静岡市を思い、我が事として取り組みました。 私を含め、今回の選挙に携わった仲間全員、選挙違反を企て違法行為をしようとした人などいません。人の為、地域の為にと立ち上がった人々がこのような結果になってしまったことが残念でなりません。 今は判決を待つ身ですが、これまでの私の議員活動は皆さんの支えやご理解があってのことと感謝しています。 不明な点、お気付きのことがありましたら、ご連絡頂ければ幸いです。                       静岡市議会議員                          宮澤圭輔                   携帯 090-7869-2311

裁判

10月14日、裁判は結審を迎え、12月9日16時半に判決の言い渡しとなりました。今はこれまで通り(無罪の主張をしている為)制約は多々ありますが議員としての仕事を続けています。(今日は9月議最終日です)
警察、検察、他のプランナー(参考人)のそれぞれが異なった違法性を主張した、公選法の事前運動の解釈でありました。
私も、云うべきこと、主張すべき点は述べさせてもらいました。
後は裁判官の判断を待ちたいと思っています。

 

改めて記載させて頂きますが
○誰一人として、選挙違反を企てた者はいなかったということ

○それら企てた(共謀)とされる証拠はありません。
(「認めれば出してやる」に私は否定。認めた人も軽減はなかった)
(違法とされたチラシも見ていない段階で、業者に連絡を取った事が違法と。また、チラシ作製にも関わっていない。)

○また、参加者は静岡市の事を考え、政令市市長選挙を行ったこと。

○私は業者にお金を渡してもいないし、選対から一円も受け取っていま
せん。
(当初から、警察から事実と異なる情報が提供され、報道された)

以下、ご参考までに
10月14日に述べた最終意見陳述を掲載させて頂きます。

 

                      最終意見陳述

静岡地方裁判所 御中
宮澤 圭輔 ㊞
平成27年10月14日

今日が地裁で主張できる機会は最後だと聞いています。
そこで、何点か、お伝えさせて頂きます。

第1に、私は無罪です。
改めてはっきり申し上げておきたいことは、私自身はもちろん、斎藤さんを初め、高田会長、スタッフ、今回の選挙に関わった誰一人として、選挙違反を計画的に企て、違法行為をしようとしていた人間などいなかったことを、裁判長には強く訴えさせて頂きます。

 また、兼ねてから私は政治には、常に新しい挑戦者と選挙という競争がなければ良くならないと思っていました。だから、これまでも選挙に出たいという人には積極的に応援をしてきました。今回、高田さんを応援させて頂けた事についても、全くの後悔はありません。

 今振り返っても、高田会長を初め、メンバーのひとりひとりが本当に静岡市を思い、志を持って、我が事として取り組んだのが、今回の市長選挙だったと今でも思っています。ただし、人の為、地域の為に立ち上がった結果として、関わった方々がこのような形になってしまったことが残念でなりません。

高い志を持って選挙に挑んだ私たちの行為の評価については、公正にご判断頂きたくお願いするものです。

 

第2に、現、選挙制度についてです
遵法精神はこの日本で生きる一人の国民として、守るモノと認識しています。その上であえて云わせてもらいますが、現在の選挙制度は本音と建前が違い過ぎます。

挨拶の言葉ひとつ、チラシの書き方ひとつ変えることで、本音を隠し、選挙の事前活動ではないとしていますが、林検事が云われるように、相手はどう思うかを考えてみてください。
また、水野検事の説明によれば、今回のような顔や氏名、選挙名が記載してある同様のビラを街頭で配布した段階で違法だとする見解でした。今回提示させて頂いたようにそのようなビラはこれまでもありましたし、ビラやリーフレットを配らない候補者は居りません。

政治家や立候補予定者が、選挙前に街頭や町内会、会社の朝礼などに、暗に投票してとは云いませんが、その意味合いを持って告示前に挨拶に来ることは、誰でも知っています。

その際に、選挙名は無くとも「市政にチャレンジ」と記載したビラを手に訴える立候補予定者に対して、有権者は選挙と受け取らないでしょうか。
また、唯一、先進国の中で戸別訪問を禁止されている日本ですが、実際には特別な人か、特別な知名度がない限り、個別訪問をしていない政治家は居ないのが現実です。これについても、一件飛ばしで行えば、個々訪問としてすり抜けられるというから驚きです。一般的に考えて、この理論が通用するでしょうか。
また、他の選挙プランナーが「こうすればいい」という、テクニックを聞いてどうお感じになったでしょうか?

 

選挙は国の将来を投票によって決める大事な民主主義制度です。
その大事な将来を決めるのに、本音とは異なった建前のテクニックや恣意的な曖昧な判断が左右する民主主義は、本当の民主主義なのでしょうか。
そもそも政治活動や政策は最終的には選挙と云う民主主義で判断されるものであり、繋げれば認識できてしまうのは当たり前なのではないでしょうか。

先進国では選挙の事前運動について、禁止しているのは日本とロシアだけだそうです。今のアメリカ大統領選挙を見ても、いつでも立候補表明し、支持を訴え、政策の説明に支援者もが戸別訪問をして、国民に理解を深める作業をしています。

 

いつの日か、日本も選挙に立候補する志ある若者や挑戦者が、3年も4年もかけ、一件一件、夢や希望を語りながら個別にまわり、国民・市民と夢を共有し、正々堂々と「自分に託して欲しい」と訴えられる世の中になったら、どれだけ素晴らしいことかと、今も思っています。

 

最後に、逮捕・勾留されてからの43日間。人はすべての欲求を取り除かれた跡に残るものは、子を想う心。家族を思う気持ちが最も強く残るということを改めて認識しました。今は、大変な負担をかけ、私以上に耐え苦しんでいる妻や家族を幸せにすることが私の第一の勤めだと思っています。

人は鏡、万象は我が師。
今、起きている事を真摯に受け止め、人生を歩んで行きたいと思います。

以上

 

合せて、前回の被告人質問でしっかりお答え出来ていなかった点について申し伝えさせて頂きます。
裁判長の云われた「候補者と政策的な意見交換をしたのか」については2月11日に松田さんと行った静岡市の課題に対する世論調査結果を提示し、その後も松田さんや会長を交え、意見交換を行っています。
ただし、その後作成された市長選ビラに記載される政策や内容について、その前段での私の意見が活かされたかもしれませんが、一切の関与はありません。

 

次に、裁判官の「選挙管理委員会に政治活動の確認をしたのか」という点について、話がかみ合わなかったという点についてですが、補足として
政治活動は本来、県の自治行政課で確認が行われます。また、確認団体のビラは存在しないという事です。何故なら、告示前までは通常の政治活動であり、告示日以降は確認団体の届け出を済ました団体となり、告示日以降に発行するビラやポスター等を選挙管理委員会に確認する義務が生じますが、それ以前のモノについては通常選挙管理委員会に確認するモノではありません。ましてや、所管が違う政治活動であるならなおさらであり、選挙管理委員会から立候補届け出の説明会でも政治活動の説明がないことからも明らかです。よって、「選管に確認したか」の問いについては政治活動として確認する義務がなかったという事になります。
以上です

公判報告(8月7日)

静岡市民の皆様

ご無沙汰しております。
大変、多くの方にご心配、ご迷惑をおかけしており、申し訳ございません。

 現時点において私の裁判を含めて複数の裁判が進行中であり、他の被告人の方々の裁判への影響を避ける為、私自身の口から皆様への具体的な説明を行うことは差し控えさせて頂いております。
 
 とはいえ本件においては、報道が先行したことから、事件の全体像や私自身の主張が皆様に正確に伝わっていない面があるのは事実です。

 そこで、私自身が逮捕後、公の公判で表明した主張を掲載させていただき、皆様に、私自身の主張をご理解いただきたいと考えております。私が、勾留中に行いました裁判所における「意見陳述」及び、保釈後の第一回公判において行いました「公訴事実に関する陳述」について、私自身の言葉として述べた事を以下に記載させて頂きますので、お読み頂ければ幸甚です。

 また、本件については、私自身に対する静岡地方裁判所の判決が下された時点において、改めて、私自身の口から、ご説明させて頂ければと思います。
以下、上記関係資料について掲載します

1)7月24日 第一回公判における「公訴事実に関する陳述」
 (写真1・2枚目)

2)6月10日 勾留中に裁判所で述べた「意見陳述」

意見書

宮 澤 圭 輔

1 これまで応援してくださった皆さん、同世代を初めとする大切な仲間、明日の静岡を思い共に活動してきた皆さん、大変なご心配を引き続きおかけしていることを心からお詫び申し上げます。

2 今日で逮捕されてから38日が経ちます。この間、連日のように静岡中央警察署に足を運んでいただき、励ましてくれている弁護団のみなさん、妻の真里、ありがとうございます。

  また、純粋に心から静岡を思う気持ちで市民に静岡市の抱える問題点を提起した高田都子さんの関係者が逮捕されてしまったことが誠に残念であり、私自身、現職として関わりながらこのような結果となったことを強く反省しております。

3 私は、5月26日、再逮捕されました。今回もご心配をおかけしている皆様に、再逮捕された理由と、これまでの状況について、この場を借りてお伝えさせていただきたいと思います。
 
4 今回の逮捕の理由は、先ほど裁判官が述べられたように、ビラを配付した業者と政治団体との間に入り、話をまとめたことに対する「周旋」という容疑です。

  前回の意見陳述でも述べさせていただいておりますが、アドバイザーである斎藤まさし氏からは「政治活動用のビラであり、ポスティング、街頭配布ともに一切問題はない」との説明を受け、斎藤氏の指示に従い、政治活動であれば業者が配布しても問題ないと理解し、業者に依頼したのが実際のところです。

  このように業者と政治団体との間に入ったことに対してはこれまでも認めており、外形的な事実の争いは一切ありません。

  これまでの連日に及ぶ取り調べの中で、このような内容の調書がすでにいくつも作成されています。

5 前回の意見陳述でも述べましたが、私は、取調べで、担当の取調官から、ビラの文字が「市長選挙・出馬」ではなく、「出馬表明」との文字であれば、「高田都子です。よろしくお願いします。」と声に出して街頭で配っても問題なかったということを聞きました。

  また、ビラが「市長選出馬」であっても、街頭での発言が「どうぞご覧ください。」であれば問題にならなかったとのことです。

6 この点に関し、先日、弁護人から「公職選挙法の廃止」という本を差し入れてもらいました。この本の中で、元自治省選挙部長であり、現在、早稲田大学の教授である片木先生がこのように述べています。
 
 「現行の公職選挙法による『選挙運動』等の規制は、憲法に定める表現の自由や罪刑法定主義の観点から問題であるというにとどまらず、実際問題としても、候補者や運動員が選挙運動を行うにあたって『何が適法で、何が違法なのか』を事前に予測することを困難にさせ、法的安定性を甚だしく害している。挙句の果てに、『公職選挙法など守っていたら選挙に勝てない』、『捕まるのは運が悪いからだ』などといわれるに至っては、法の前の平等の原則と法治国家における国民の順法精神という点からきわめてゆゆしき事態といえよう。」(23項)

  引用は以上です。

  このように、ほんの少しの言い回しや表現の違い・ニュアンスの違いにより適法か違法かの判断が分かれることに、正直なところ、公職選挙法の解釈のあいまいさを感じざるを得ません。そして、議会制民主主義の根幹である選挙において、このようなあいまいな解釈により罪に問われ得ることに疑問を感じます。

7 前回の意見陳述でもお話をしたとおり、私としては、斎藤氏の指示の下で行動してきましたから、自らの行為が違法であるとの認識は一切持っていませんでした。

  現職の私が、違法であることを認識しながら、あえて違法な選挙運動を行うことなど断じてないことを強くお伝えしたいと思います。

  時間が限られていますので、以上をもって私の意見陳述とさせていただきます。

  最後になりますが、今回の私の行動が適法であったのか違法であったのかを決めるのは裁判所です。
  
  私としては、すべて裁判所の判断に委ねたいと思います。

以上

3)今後の裁判日程について
  ・第2回公判 「被告人質問」9月18日13時から16時頃 
  ・第3回公判 「証人尋問」 9月28日10時から12時頃
  ・第4回公判 「結審」   10月14日10時から12時頃
  

市長へ 第3次総合計画について 会派要望を提出しました。

写真、提出者は会派代表白鳥議員、風間議員、石井議員、平島議員 宮澤です

以下、会派静翔会の提案書を添付します。

静翔会
第3次総合計画への提言書

平成26年8月14日
静岡市議会・静翔会

平成26年8月14日
静岡市長
田辺信宏様
静岡市議会 静翔会
代表 白鳥 実
風間重樹
宮澤圭輔
平島政二
石井孝治

静岡市第3次総合計画への提言

静岡市議会・静翔会は、党派を超えて静岡市の政策作りに取り組む集りとして、今年度結成2年目を迎えました。個々の議員活動を互いに尊重しつつ会派としては、妥協のない議論を重ねて市政の抱える課題解決の為の政策立案に努めて参りました。

さて静岡市は、本年「第二次総合計画」の最終年を迎え、市長マニュフェストの着実な推進の為に御尽力頂いている所であります。世界文化遺産に登録された富士山の構成資産となった三保松原、エコパーク登録された南アルプス等、政令市静岡としての魅力づくりに着実な成果が表れてきていると評価しております。しかしながら、人口減少問題や景気の低迷等、都市間競争の中で様々な課題に直面している事も現実であります。

来年度からスタートする「第三次総合計画」では、課題を踏まえたしっかりとした現状認識が必要であり、その上で市長が提唱する「まちみがき戦略推進プラン」を確実に進めていく為に、市民の理解と協力が不可欠であると考えます。私達「静翔会」は、当局との議論を通し、モチベーションの高い市政運営に努力邁進していく決意であります。

現在当局に於いて策定が進められている「第三次総合計画」について、静岡市議会「静翔会」では、議会の責任においてしっかりとした議論が必要であるとの認識の下、この度「提言書」を市長に提出する事と致しました。

市長のリーダーシップの下、スピード感を持った取り組みがなされる事、又各部局の事業推進が市民の福祉向上と静岡市の発展に寄与することを期待いたします。つきましては本提言を御検討いただき特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。

目次

1. 街づくりの基本的な考え方
1-1【みどり条例の推進について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1
1-2【水とみどりの活用について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1

2. 地域活性化と街づくり
2-1【東静岡市有地の利活用について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1
2-2【JR静岡駅南口(駅南)地区の整備促進】・・・・・・・・・・・・・・・  P2
2-3【大谷・日本平の整備について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P2
2-4【麻機遊水地の整備活用】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P3
2-5【世界遺産構成要素の三保松原から折戸湾の復元】・・・・・・・・・・・・  P3

3.経済の活性化
3-1【産業振興について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P4
3-2【清水港(海釣り公園)について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P4
3-3【中心市街地の活性化について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P5

4.交通体系の推進
4-1【本市のバス交通の将来像の明確化について】・・・・・・・・・・・・・・  P7

5.MICEの推進
5-1【三保の松原について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P8
5-2【用宗地区・用宗港の活用、整備について】・・・・・・・・・・・・・・・  P9
5-3【総合歴史博物館整備について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P9
5-4【久能石垣苺を世界農業遺産登録へ】・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10
5-5【駿府城(家康城)の再建】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10
5-6【情報発信力の強化】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P11
5-7【政令市である静岡市、専門的人材育成に特化する】・・・・・・・・・・・ P11

6.安心・安全
6-1【静岡・清水市立総合病院について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P11
6-2【防災・津波対策】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12

7.将来を担う人づくり
7-1【教育クラウドについて】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12
7-2【コミュニティ・スクール制度の推進について】・・・・・・・・・・・・・ P13

1. 街づくりの基本的な考え方
1-1【みどり条例の推進について】
(背景)
市域の約8割を山間地が占める静岡市において、都市部の緑化については街路樹の整備が20政令市中ワースト3位(平成22年度調べ)、公園面積、公園設置数では20市中ワースト1位である。都市のみどりは憩いや景観美をもたらし、今後のまちづくりにおいても重要な施策となりえる。これまでの進まなかった要因として道路緑化マニュアルや街路樹管理マニュアルなどの整備及び管理制度、基本となる街路樹の台帳不足、民間との共同施策の不足が考えられる。そこで静岡市内(市街地)の緑化を進めるにあたっては、先進政令市のように緑化を進める条例の整備が必要である。
(提言)
1. 「みどり条例」の整備を進め、緑豊かな静岡市の実現を目指すこと。

1-2【水とみどりの活用について】
(背景)
ユネスコエコパークに登録された南アルプスを含め、市域の約8割が豊富な森林資源と、本市を代表する河川の安倍川が清流日本一に輝いている本市の特色を活かし、「水と緑」をテーマに都市をアピールする施策が必要である。
(提言)
1.みどりの活用施策について
① 山間地の木材の多様な活用方法を検証し、木材の利用拡大に努めること
② 歩道整備を進めるにあたっては、市内山間地の間伐材等を利用した圧縮木材のインターロッキングブロックの活用を進めること
  2. 水辺の活用について
① 市民の憩いの場として、「水辺の場」づくりを推進すること。

2. 地域活性化と街づくり
2-1【東静岡市有地の利活用について】
(背景)
東静岡の市有地をどのように活かしていくかは、本市の将来にとって極めて重要な問題である。現在までに、アリーナを含むホテルの誘致や清水エスパルスのホームスタジアム移転を念頭に置いたJ1のライセンス基準をクリアする新スタジアム建設などが浮上している。しかし、いずれの案もまだ十分な検討がなされておらず、民間活力の導入等、莫大な建設費の負担をどうするかなど、時間を要する大きな課題が山積している。同エリアの整備については、市民、民間企業・団体、行政の役割を明確にし、特に、方針の決定に際しては市民の理解を広く求めていく必要がある。
(提言)
1. 「水と緑」をテーマとした静岡セントラルパークを造成し、文化芸術の発信や野外イベント、Xスポーツなど多目的に利用できるフリースペースとして活用すること。
2. 民間事業者も含めた「エリアマネジメント」を構築する組織を早急に立ち上げること。
3. 多目的利用が可能な方向で整備し、切れ間のないイベント実施でMICEの推進を図ること。
(提案)
「(仮称)静岡四季の森公園」
この公園は①「次世代に価値をつなげるみどりの創造拠点」として日常的にも災害時にも「心の拠り所」となる場所の実現を図ること、②公共が整備する公園や道路と事業者が整備する公共空地などが機能分担しながら、平常時だけでなく災害時にも一体的に機能し、連続的な空間となるよう、適切な整備や運営を行うこと、③都市公園と公共空地は、「静岡の新たなエネルギーを生み出す活動拠点」の一つとして、にぎわいと環境が調和した空間を目指すことを基本的な考えとする。

2-2【JR 静岡駅南口(駅南)地区の整備促進】
 (背景)
静岡交通ビル・パチンコ店の一帯はビルの老朽化が進んでおり、防災の面からも、景観の観点からも再整備が必要な街区である。またJR静岡駅北口には大型バスが入れないため、南口にバスの停車場が集中している。しかし正規の場所がなく路上に駐車しているのが現状である。
(提言)
1. 静岡交通ビル・JR南口駅東側パチンコ店とその東側の駐車場となっている街区(駿河区南町16番地)の再開発を進めること。
2. 当該街区を立体化または高層化し駐車場、バスの発着場を整備すること。

2-3【大谷まちづくりの整備について】
(背景)
大谷・小鹿地区の約125ヘクタールの市街化区域に囲まれた調整区域内農地について、平成29年度工事完了予定である静岡東スマートインターチェンジの開通に合わせ、本市としても平成25年11月に新たな5つのコンセプトを明記した大谷・小鹿地区土地利用計画が公表され、現在は地元地権者、関係企業、関係機関等との調整を進めているところである。また、第3次総合計画の素案の中でも、静岡市の将来を左右する重要な地域として示されている。
(提言)
1. 交流機能エリア
① 市内観光地への拠点として情報発信機能を整備すること。
② 日本初、商業用陸上クロマグロの養殖場の整備を推進すること。
③ 農業エリアでとれた農作物を活用した「農と食」をコンセプトに人の集まる施設
整備を推進すること。
2. 農業機能エリア
 ① 既存農家の意向を重視し、大谷・小鹿地区土地利用計画を推進すること。
② 静岡大学の農学部と連携した水耕栽培、薬草の研究を推進すること。
3. 工業機能エリア
① 住宅地内にある町工場、加工場などの市内企業の移転を進めること。
② 企業間のイノベーションが起きるようにマイクロファクトリーなどのコンセプトの導入を推進すること。
③ 今後、成長が期待できる新産業の誘致を積極的に進めること。
4. 物流機能エリア
① 地元物流業者が共同で利用できる駐車場とストックヤードを共有できる新たな物流拠点の整備を支援すること。
② 住宅地内にある市内物流企業が移転する場合の支援を行うこと。
5. 居住機能エリア
 ① 民間企業と連携し、ドイツヴォーバン地区のような循環型環境先進住宅地の形成
を推進すること。

2-4【麻機遊水地の整備活用】
(背景)
麻機遊水地は自然再生推進法に基づき、失われた自然を再生することに主眼が置かれている。従って過度に整備を進めることは法の精神に則さない。したがって「環境教育の推進」、「自然環境保護」、「循環と共生のまちづくり」、「里地・里山の保全」の視点を以て整備し、並行して、ラムサール条約登録湿地釧である路湿原や尾瀬等にも引けを取らない観光資源として利用することも念頭に置かねばならない。具体的な内容は地域の小学校、町内会、ロータリークラブなどやNPO法人麻機湿原を保全する会、柴揚げ漁保存会、歴史文化を研究する麻機村塾など、県土木事務所から依頼した17団体を中心とする自然再生協議会との協議の上決定していくべきである。
(提言)
1. 整備にあたっては自然再生を主眼とすること。
2. 観光資源としての視点を以て整備すること。
3. 具体的な整備案は保護団体や市民の意見を反映したうえで決定すること。

2-5【世界遺産構成資産の三保松原から折戸湾の復元】
(背景)
日本3景といわれる中に、松島、天の橋立、三保羽衣の松とある。その清水地域の景観の素晴らしさを称えた歌に「鉄舟(寺)、龍芸(寺)、湾頭にそびえ、日本平を收む、天下の景。美保羽衣霊性の松、織戸帰阪の船、袖師ガ浜は麗人の憂いを残し、秋葉の浙江、清見の松韻、客情を浮かぶ」、清水八景という歌がある。その中でも最も美しい景色は折度湾から望む富士山であり、市長室の前に和田英作氏「真崎からの富士」が掲げられているが、同氏の書いた折戸湾から望む富士の姿を描いた絵は現在、皇室にも掲げられている。その昔、折戸湾の貝島には貝島御殿があり、この景観を愛し、古くは三保羽衣、日本平周辺に多くの文化人が移り住んだ地域でもあった。三保松原の世界遺産構成資産としての価値は、この周囲の景観が織り成すことで本当の価値を見出すのである。
(提言)
1. 折戸湾の貯木場に残る杭の撤去を県に要望すること。
2. 汚泥の貯まった湾内の水質調査及び改善を推進すること。
3. 三保の松原から折戸湾周辺の景観復元について可能性を調査し、推進すること。

3.経済の活性化
3-1【産業振興について】
(背景)
地場産業の振興、工業の振興、伝統工業産業の振興、企業誘致などを柱として、本市の産業振興策が進められてきた。特に、中小企業・商店の活性化は経済の発展のみならず、地域の雇用、定住化、そしてコミュニティ醸成に必要不可欠と思われる。各種融資制度などとあわせ、企業の足腰を強くするための誘導策が必要と考える。
(提言)
1. 静岡型CSR活動認証制度を導入すること。
2. 中小ものづくり企業のための「総合支援拠点」となる「ものづくりビジネス支援センター(仮称)」を開設し、商工会議所等関係団体の協力のもと、常設展示やビジネスマッチング、国際ビジネス相談等に積極的に取り組むこと。

3-2【清水港(海釣り公園)について】
(背景)
清水都心の活性化として、ウォーターフロントの魅力ある空間づくりを目指すとともに、駿河湾フェリーの活用、客船の誘致などを推進していく「清水都心ウォーターフロント活性化推進事業」が進められている。しかし、潜在的に高い可能性を秘める臨海部の再整備、また、人の交流をどのように地域経済の活性化に結びつけていくのかが課題となっている。
(提言)
1. 官民一体となった「(仮称)魅力ある空間づくり計画」を策定すること
2. 江尻地区から日の出地区に至る、賑わいのある遊歩道を整備すること
3. 倉庫群を活用した商業活動を推進すること
4. 海釣り公園(仮称)を早期整備すること
5. プレジャーボート係留施設を整備すること

3-3【中心市街地の活性化について】
(背景)
本市の商業は、中心市街地における高い商業集積を背景に順調な伸びを示してきたが、年間販売額は平成3年をピークに減少に歯止めがかからない状況にある。車社会の進展を背景とした郊外店舗の立地が進むなど、商業をめぐる競争が激化しているなかで、地元購買率や周辺市町からの消費者流入率が低下傾向にあり、中心市街地における商業活動の停滞化が懸念されている。商店街の問題は外ではなく、内にある。魅力的な商店街とは、そもそも魅力的個店の連続した街並みを意味するからである。商店街を構成するそれぞれの個店が、時代変化に目覚め、生活者にとってなくてはならない魅力的な個店になることをおいて、商店街の再生は今や困難といえる。全体的には商品構成、さらには業態の変更等抜本的な改革指導も必要である。

(浅間通り商店街)
(背景)
静岡浅間神社の門前町として発展してきた浅間通り商店街は、市街地北部に位置し、1番街から5番街まで南北600mのメインストリートで形成されている。周辺には、徳川時代の武家屋敷跡が史跡として点在しており、駿府城公園を中心としたエリア的観光拠点として、市民に親しまれてきた。しかしながら、景気の低迷による店舗の減少、イベントの一過性、静岡まつりとの連携不足等市内外からの客数の減少が顕著となっている。徳川家康公顕彰400年記念事業開催に併せ、今一度地域の歴史に視点を置いたまちおこしが必要となってきている。
(提言)
1. 西草深公園の再整備については、浅間神社・浅間通り商店街・自治会連合会との協議を進め、駐車場の整備・緑地帯としての整備計画を策定しその推進に努めること。
2. イベントの開催については1商店街だけのイベントとして捉えるのではなく、周辺自治会等との連携を図り、静岡市のイベントとして格上げして静岡市との更なる連携を図ること。
3. 徳川時代の史跡を一目でわかる、(仮称)「徳川時代の駿府マップ」を作製し、市内外の観光PRに努めること。駿府城公園を中心としたスタンプラリーと連携し、「家康公検定」を簡易に行う仕組みづくりを行うこと。(史跡標記の活用)
(七間町商店街)
(背景)
「七間町物語」の中でも示されているように、七間町は「映画・娯楽を楽しむまち」そして「ぶらぶらとそぞろ歩くまち」とのイメージの下、市民にとっては静岡市の象徴的商店街として親しまれ、映画館の跡地周辺は、「七間町通り-駒形通り」と続く商店街の軸を中心に、下町的なかいわいや青葉通り・常盤公園等の緑豊かな空間、駿府城下町時代から続く歴史ある社寺などが半径200mに収まっており、歩いて楽しめる地区として発展してきた。しかしながら、映画館の撤退後若者の街としてのイメージは一変し、市民は362号を超えて、七ぶらを楽しむ状況が消えてしまった。静岡市はオリオン座跡地に、「静岡市上下水道庁舎」の建設を決定し、庁舎建設に併せ庁舎ビル内に民間専門学校の誘致を決定した。町の形が変わっていく現状の中、地域に於いては地域協議会が発足し今一度、七ぶらエリアとしてのあり方について検討が始まっている。地域の魅力を再発見し、エリアとしてのまちおこしが必要となってきている。
(提言)
1. 「七間町映画館跡地周辺地区街づくりに関する研究会」の提言を遵守し、エリアマネジメントの推進のための組織の育成に努めること。
2. 七間町・常盤公園・青葉ロードの回遊性を高めるため、軽トラ市の開催(毎週土日開催)を推進すること。
3. 常盤公園における土・日開催の大道芸イベントの開催を推進すること。
(草薙商店街)
(背景)
草薙地区は有度山の北側に位置し、公共交通において国道一号線、南幹線、JR草薙駅、静岡鉄道草薙駅が立地する交通の要衝であり、更には県立大学や県立美術館など教育・文化的な施設が存在する地域である。現在、地域の中心であるJR草薙駅においては南北自由通路を含めた周辺整備、駅前については草薙駅前再開発ビル建設が進められるなど、静岡市における重点地域としての機能を充実させているところである。他方、草薙商店街は他の地域と異なる特色を持っている。「若者・学生」「教育・文化施設」「閑静な住宅街」、その中心に「商店街」が存在しており、現在、商店街を中心に「つながるくさなぎ」をコンセプトとして活動している。
(提言)
1. 静岡市政においては、商店街、地域住民、大学、企業とのつなぎ役としての責務を果たすこと。
2. 再開発ビル内につながる場としての(仮称)「草薙コミュニティスペース」の整備を行うこと。
(清水駅前銀座商店街)
(背景)
古い歴史を誇り、造船業・港湾関連事業の繁栄を背景として、その従業員や家族及び地元住民に愛され賑わいを誇っていたが、商店街の来訪者は減少している。業態は衣料品を扱う店舗が多く、近年はアーケード及び店舗の老朽化が進んでいる。郊外幹線道路沿いへの大型ショッピングセンターの進出やロードサイド型の各種専門店の登場、隣接する旧静岡市の発展によって、中心市街地からの買い物客の流出が激しい。
(提言)
1. 交流空間としての活用。特色あるイベントを継続的に実施、サポートしていくこと。
2. 駅東の「河岸の市」、「テルサ」、「マリナート」から清水駅前銀座商店街へ回遊性を向上させる施策を推進すること。
3. 同地区で行われる各種イベントとの連携、連動について検討すること。
(清水銀座商店街)
(背景)
「清水銀座まちゼミ」の開催や、清水銀座マップの配布など、個店個性を前面に出すイベント・企画が注目されている。
(提言)
1. 商品知識の豊富な個性的な店主も多く、大手広告代理店等のコラボを含め、継続的な話題づくりを積極的にサポートしていくこと。
2. 江尻宿に由来する歴史ある商店街であり、家康公顕彰400年記念事業企画に連動させること。
(江浄寺には岡崎三郎信康公〔家康公の第一子の遺髪〕の御廟所が祀られている。こうしたことから、東海道を往来する大名が行列を止め、御廟にお参りすることが常となっていた。また朝鮮通信使の一行も、この寺に二回宿泊している。 岡崎三郎信康公は、家康公と築山御前の嫡男で、信康公が武田家と内通していると疑われ、織田信長の命令によって築山御前と共に戦国の犠牲となった。家康公は苦しむが、信長との同盟を守り、徳川家を存続させるため、天正7年〔1579〕9月15日、信康公は遠州二俣城内で自害。時に21歳の将来を属望されていた若武者だった。 慶長11年〔1606〕、信康公の家臣榊原清政の侍女と平岩親吉〔ちかよし〕の二人が、住職との縁で信康公の遺髪を境内に埋め、その当時の五輪塔が供養のため現存している)

(次郎長通り商店街)
(背景)
清水の次郎長の生家がある昭和の雰囲気が漂う商店街。核施設となる生家には次郎長が使った道具や井戸があり、写真や資料も展示されているが、老朽化が激しく存続が懸念されている。
1. 次郎長生家を活かす街づくりの会への広報支援などを行うこと。
2. ドリームプラザ、末広、生家、梅蔭寺、の回遊性を向上させるための案内標記を整備すること。
3. 家康公顕彰400年記念事業と連動(咸臨丸事件等)させること。

4.交通体系の推進
4-1【本市のバス交通の将来像の明確化について】
(背景)
公共交通の空白地域がなく、効率的かつ効果的に運行する、バス交通のネットワークを形成することにより、誰もが乗りやすく、快適な生活環境を実現することが急務である。特に郊外部や中山間地において、バス交通の担う役割は、ますます重要となる。市民・バス事業者・行政の適切な役割分担のもと、バス事業者への欠損補助から、自主運行バス、デマンドバスなどによるバス交通の確保が求められている。
1. 「バス利用促進策」
安全で快適に利用できるバス交通の実現を図るため、超低床ノンステップバスの導入、パーク&バスライド、サイクル&バスライドなどの整備に取り組むこと。
2. 「バス路線網再編」
効率的で効果的なバス交通ネットワークの実現を図るため、路線の集約化やコミュニティバスの導入、中山間地と市街地を結ぶ拠点の整備推進すること
3. 「バス路線維持対策」
持続可能なバス交通の実現を目指し、中山間地におけるデマンド運行や過疎地有償運送などの導入を推進すること。

5.MICEの推進
5-1【三保の松原について】
(背景)
世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原のエリアは、主要なコア部分と海面を含んだ周辺のバッファ部分から成り立っている。そのうちの陸地部分の面積は254ヘクタールで、国指定名勝三保松原の範囲とほぼ重なっている。所有者の内訳は、国有地38.9%、県有地0.4%、市有地が5.2%で、私有地は55.5%。松原における松の管理については、現在、市有地と県有地では、それぞれが管理を行っているが、その他の土地については、松葉が厚く積もったところや雑草が繁茂したところもあり、現状として松の育成を目指す統一した管理ができていない。本年度、国有林、公有林、そして、民間が所有する私有林にわたる松原全体の管理基本計画を策定するとしているが、今後は、諸施策の実行と保全、観光をどのように両立して進めていくかが課題となっている。
(提言)
1. 電柱等の地中化による景観の向上、交通渋滞の緩和のための道路整備をすること
2. 羽衣資料館の早期完成
① 「羽衣伝説」を基調とした物語性を紹介する施設として整備すること。
② 子供から大人まで親しまれる施設とし、近代的映像技術を活用した施設として整備していくこと。
3. 旧清水港線活用
① 旧清水港線敷を活用して四輪車によるトレイン等を運行させ、観光及び市民の移動手段として復活すること。
4. 観光とスポーツ交流の拠点としての整備
① 富士山を望むグランドでグラウンドゴルフ全国大会「(仮称)三保松原カップ」を定期的に1000人以上の大会を開催していくこと。またその為の新しい組織の早急に設置すること。
② 四季を通じたスポーツ観光の宿泊を含めた誘致を積極的に推進すること。
③ 三保を題材にした写生大会やフォトコンテストの開催すること。

5-2【用宗地区・用宗港の活用、整備について】
(背景)
「用宗地区」は、静岡市の西南端に位置し、用宗海岸は西側に「大崩」のある石部海岸、東側に用宗漁港と広野海岸に囲まれた自然環境に恵まれた地域であり、シラス漁、桃園、みかん畑等、静岡市を象徴する食の宝庫としても親しまれている地域である。今日まで海洋観光施設としての「用宗フィッシャリーナ」の整備、広野海浜公園の整備、用宗漁港では、シラス漁の解禁時期に併せて、「用宗漁港まつり」が行われ多くの市民が来場し、賑わいを創出してきたと認識している。しかしながら、平時における用宗駅乗降客は年々減少傾向にあり静岡市の観光資源としての活性化が求められるところである。各施設を用宗エリア全体の魅力としてPRし、市内外からの観光客誘客に結びつけることが必要である。
(提言)
1. 用宗港の再整備については、管理者である清水漁協・地域で活動する協議会との連携の下、地域おこしのイベントの推進に努めると共に、賑わい創出に資する用宗フィッシュアリーナを含めた「用宗港振興構想」(仮称)策定に着手すること。
2. 用宗エリアの回遊性を高めるために、レンタサイクル等の活用を検討すること。
3. 静岡市の各漁港との連携を図り、「用宗しらす」など静岡ブランドの鮮魚の発信力を高めること。

5-3【総合歴史博物館整備について】
(背景)
 静岡市には、現在「静岡文化財資料館」、「埋蔵文化財センター」「登呂博物館」等静岡の歴史を紹介する施設が存在している。更なる市民の郷土に対する誇りを醸成する施設としての活用が求められる。静岡市歴史文化施設の基本方針に示されているとおり、「このまちの未来をより豊かなものにしていく為には、先人達が残した大切な歴史遺産の意義を理解し、まちづくりに生かしていく必要がある。静岡の文化の素晴らしさを、全国のみならず世界に向けて発信し、さらには、静岡を訪れる人々を引き付ける、魅力ある展示を通じて拠点として歴史文化施設を建設」する事が求められている。平成22年12月「静岡市歴史文化施設 基本構想(案)」が示され、パブリックコメントが行われて以降、建設計画策定へと準備が進められている。
(提言)
1. 現在は、旧青葉小学校跡地に建設予定とされているが、想定される予算の捻出とアセットマネジメントの観点からも単独施設としての建設は、財政上の負担が大きい。駿府城公園に隣接する良好な立地条件である事から、静岡市民文化会館の建て替えと合わせ、合築での建設が望ましい。又、施設の管理運営上も、大きな負担が想定されることから、民間活力を活用したPFI等の手法による建設も検討すること。
2. 当施設は、観光の拠点であると共に市民の郷土愛の醸成の場でもある事から、子供から大人まで楽しみながら郷土の歴史に接する為の環境が求められる。映像等を活用して、時代ごとの街並みを体感できる施設等体験型施設として、整備すること。
3. 当施設は、駿府城公園を中心とする歴史文化施設であり、エリアとして歴史探訪の拠点施設として捉え、回遊性を高めるため周辺文化財への交通アクセス(竹千代号等の活用)の検討を行うこと。

5-4【久能石垣苺を世界農業遺産登録へ】
(背景)
久能石垣苺の発祥は諸説あるが、古いところでは明治二十九年松平健雄宮司より託された苺苗を玉石の間に植え、温室の無い時代、 地道な観察と研究の末、冬にもかかわらず石の輻射熱を利用した甘く香りの高い苺の栽培に成功したことによる。観光農業としてのいちご狩りの歴史は今から100年前とされており、我が国における観光農業の始まりともいえる。また、久能石垣苺を取り巻く環境は、国宝久能山東照宮を背景に、羽衣伝説を持つ美穂神社(西平松と三保)に挟まれた地域で栽培されており、古くから歴史・文化的にも発展した地域である。
(提言)
1. 久能石垣苺の文化的、技術的価値を研究し、そのPRに努めること。
2. 久能石垣苺の世界農業遺産登録に向けて可能性調査を行うこと。

5-5【駿府城(家康城)の再建】
(背景)
駿府城の再建に向けた取り組みは20数年来続く、市民運動である。本年10月には再建を主張する団体が一本化される予定であり、駿府城再建への機運は高まってきている。これに先立ち平成26年7月においては川勝静岡県知事も市の問題としながらも再建について前向きな意見を公表し、静岡市田辺市長も過去の検証には拘らず検討したいという旨の発言をしている。また、2015年は徳川家康公顕彰四百年の年度であることから、再建に向けた事業スタートとしては最高のタイミングである。再建中もスペインのサグラダ・ファミリアのように駿府城再建の様子は観光資源として継続的な活用が期待できる。
(提言)
1. 世界最大の木造建築として日本の伝統的な職人技術を元に木造で再建すること。
2. 市民・民間の協力
① 基金の活用
静岡市には「駿府城等駿府公園再整備基金」が約20年前に議会で条例制定されており、企業や個人はその基金にお金を支払った場合に損金扱い(税控除として使用可)となる。基金のPRに努め、市民の出資・市民の参加による再建を推進すること。
② 民間活力の導入
建設についてはPFI、PPPの活用等、民間活力の導入を促進すること。
3. 観光資源としての活用
市民、事業者、行政が一体となって作りあげる駿府城として「(仮称)駿府城再建委員会」を設置し推進すること。

5-6【情報発信力の強化】
(背景)
観光交流都市を目指す本市において、限られた経費でどのように外にPRをするかが課題である。一方で、静岡市出身の芸能人や文化人の中には日々日本中で活動し、地元静岡市のPRをしている方も多くいる。いわゆる、歩く広告塔である。彼らに静岡市をより宣伝してもらうためには公的肩書きが必要である。静岡市は観光親善大使の2名のみであり、他市に比べても少ないのが実情である。
(提言)
1. 静岡市の知名度を上げる為、観光大使を増員し観光客の誘客に努めること。

5-7【政令市である静岡市、専門的人材育成に特化する】
(背景)
これまでゼネラリストを育成する本市の人材育成であったが、将来の特別自治市への希望や市民ニーズの多様化・複雑化が進んでいることから専門的能力を持つ職員の育成が急務である。
(提言)
1. 計画的な専門官の育成を人材育成の柱とすること。

6.安心・安全
6-1【静岡・清水市立総合病院について】
(背景)
清水病院の診療科目は、本年4月現在、25の診療科のうち、常勤医師が不在の診療科は、精神科、循環器内科、呼吸器外科及び耳鼻咽喉科、腎臓内科の5科。清水区における基幹病院としては危うい状況にある。医師確保に悩む全国の自治体病院の中には、院長他、強力なリーダーシップのもと、医師の確保に向け大きな成果を出している病院も少なくない。また、静岡病院について経営の安定が見られるものの、更なる創意工夫を持って医師の定着をはかることが必要である。今後、静岡・清水の両市立病院が質の高い医師の確保により、基幹病院として高度な医療サービスを市民に提供していくためにはソフト・ハード両面での早急な対応が求められている。
(提言)
1. 医師の多様な勤務体系の整備をすること
2. 教育研修管理室等の組織整備を行うこと
3. 女性医師のための働きやすい環境の整備を行うこと
4. 最新医療機器の整備を行うこと
5. 医師研修設備の整備を行うこと
6. 病棟改修などにより療養病棟の整備をすること

6-2【防災・津波対策】
(背景)
平成25年度の「第4次地震被害想定」ではこれまでの東海地震のような発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす地震津波を「レベル1」、発生頻度は極めて低いが甚大な被害が発生する「レベル2」に分類されている。静岡市では過去の大災害からの教訓も踏まえレベル2にも対応できるように従来の施策の充実・強化や、津波被害への対応など、新たな課題に対する対策を推進し、「災害に強く、安心・安全なまち」を構築することが求められている。また、静岡県としてはレベル1対応をハード面で対応するとして10年で2000億円の予算を組んでおり、その実施については地元意見も尊重し、決まったところから実施する旨の方針である。
(提言)
1. ソフト対策
① 災害図上訓練のさらなる拡大と町内ごとでの実施を進めること。
② 防災担当には一定期間地域に消防団に加入することを推進し、消防団員は地域の防災員としての活動に加入すること
2. ハード対策
① 市としては、整備方針を早期に決定し、積極的に県や国に働きかけを行い、津波被害への軽減を早急に対処すること。

7.将来を担う人づくり
7-1【教育クラウドについて】
(背景)
平成26年6月14日に「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定されたことに伴い、
以前より総務省と文部科学省が連携して進めていた教育の情報化やクラウド活用が加速していくことが予想される。このプロジェクトは「2020年までに、フューチャースクールの全国展開を完了」とすることを目標としている。本市においても積極的に取組むことにより次世代を担う人材育成の環境構築が必要である。
(提言)
1. 教員のICT教育の充実
教材データベースの活用による教員の負担軽減を行う為、教員がITを活用できる環境の整備と指導方法の標準化、研修の充実を行うこと。
2. 教育環境のICT化の推進
デジタル教科書・教材の導入や電子黒板の1クラス1台の整備、生徒1人1台の情報端末の導入などを促進すること。
3. セキュリティ対策と校務支援の充実
個人情報の漏えいを防ぐと共に、教員の負担を軽減するためクラウド上での校務支援システムを活用すること。防災の観点からも情報のバックアップのためにクラウド化を進めること。
4. ICT道徳教育の充実
情報リテラシーの育成や情報モラル教育の充実を図ること

7-2【コミュニティ・スクール制度の推進について】
(背景)
現在静岡市においては清水江尻小学校を研究校として指定し、静岡市版コミュニティ・スクールの実現に向けて取り組んでいる。しかしながら既に全国でコミュニティ・スクールとして登録されている学校が平成26年4月現在で1919校となり、静岡県においても昨年度の4校から大幅に増加し19校が指定されている現状では、静岡市において研究校が1校だけでは取り組みが遅れていると言わざるを得ず、速やかな研究の促進・規模拡大が求められる。
(提言)
1. 地域と共にある学校づくりを目指す為に学校・保護者・地域が一体となって取り組む体制づくりを早急に行うこと。
2. コミュニティ・スクール研究指定校の拡大と、得た成果を速やかに開示し情報の共有化を図ること。

市長へ 第3総合計画

静翔会
第3次総合計画への提言書

平成26年8月14日
静岡市議会・静翔会

平成26年8月14日
静岡市長
田辺信宏様
静岡市議会 静翔会
代表 白鳥 実
風間重樹
宮澤圭輔
平島政二
石井孝治

静岡市第3次総合計画への提言

静岡市議会・静翔会は、党派を超えて静岡市の政策作りに取り組む集りとして、今年度結成2年目を迎えました。個々の議員活動を互いに尊重しつつ会派としては、妥協のない議論を重ねて市政の抱える課題解決の為の政策立案に努めて参りました。

さて静岡市は、本年「第二次総合計画」の最終年を迎え、市長マニュフェストの着実な推進の為に御尽力頂いている所であります。世界文化遺産に登録された富士山の構成資産となった三保松原、エコパーク登録された南アルプス等、政令市静岡としての魅力づくりに着実な成果が表れてきていると評価しております。しかしながら、人口減少問題や景気の低迷等、都市間競争の中で様々な課題に直面している事も現実であります。

来年度からスタートする「第三次総合計画」では、課題を踏まえたしっかりとした現状認識が必要であり、その上で市長が提唱する「まちみがき戦略推進プラン」を確実に進めていく為に、市民の理解と協力が不可欠であると考えます。私達「静翔会」は、当局との議論を通し、モチベーションの高い市政運営に努力邁進していく決意であります。

現在当局に於いて策定が進められている「第三次総合計画」について、静岡市議会「静翔会」では、議会の責任においてしっかりとした議論が必要であるとの認識の下、この度「提言書」を市長に提出する事と致しました。

市長のリーダーシップの下、スピード感を持った取り組みがなされる事、又各部局の事業推進が市民の福祉向上と静岡市の発展に寄与することを期待いたします。つきましては本提言を御検討いただき特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。

目次

1. 街づくりの基本的な考え方
1-1【みどり条例の推進について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1
1-2【水とみどりの活用について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1

2. 地域活性化と街づくり
2-1【東静岡市有地の利活用について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P1
2-2【JR静岡駅南口(駅南)地区の整備促進】・・・・・・・・・・・・・・・  P2
2-3【大谷・日本平の整備について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P2
2-4【麻機遊水地の整備活用】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P3
2-5【世界遺産構成要素の三保松原から折戸湾の復元】・・・・・・・・・・・・  P3

3.経済の活性化
3-1【産業振興について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P4
3-2【清水港(海釣り公園)について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P4
3-3【中心市街地の活性化について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P5

4.交通体系の推進
4-1【本市のバス交通の将来像の明確化について】・・・・・・・・・・・・・・  P7

5.MICEの推進
5-1【三保の松原について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P8
5-2【用宗地区・用宗港の活用、整備について】・・・・・・・・・・・・・・・  P9
5-3【総合歴史博物館整備について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  P9
5-4【久能石垣苺を世界農業遺産登録へ】・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10
5-5【駿府城(家康城)の再建】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P10
5-6【情報発信力の強化】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P11
5-7【政令市である静岡市、専門的人材育成に特化する】・・・・・・・・・・・ P11

6.安心・安全
6-1【静岡・清水市立総合病院について】・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P11
6-2【防災・津波対策】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12

7.将来を担う人づくり
7-1【教育クラウドについて】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P12
7-2【コミュニティ・スクール制度の推進について】・・・・・・・・・・・・・ P13

1. 街づくりの基本的な考え方
1-1【みどり条例の推進について】
(背景)
市域の約8割を山間地が占める静岡市において、都市部の緑化については街路樹の整備が20政令市中ワースト3位(平成22年度調べ)、公園面積、公園設置数では20市中ワースト1位である。都市のみどりは憩いや景観美をもたらし、今後のまちづくりにおいても重要な施策となりえる。これまでの進まなかった要因として道路緑化マニュアルや街路樹管理マニュアルなどの整備及び管理制度、基本となる街路樹の台帳不足、民間との共同施策の不足が考えられる。そこで静岡市内(市街地)の緑化を進めるにあたっては、先進政令市のように緑化を進める条例の整備が必要である。
(提言)
1. 「みどり条例」の整備を進め、緑豊かな静岡市の実現を目指すこと。

1-2【水とみどりの活用について】
(背景)
ユネスコエコパークに登録された南アルプスを含め、市域の約8割が豊富な森林資源と、本市を代表する河川の安倍川が清流日本一に輝いている本市の特色を活かし、「水と緑」をテーマに都市をアピールする施策が必要である。
(提言)
1.みどりの活用施策について
① 山間地の木材の多様な活用方法を検証し、木材の利用拡大に努めること
② 歩道整備を進めるにあたっては、市内山間地の間伐材等を利用した圧縮木材のインターロッキングブロックの活用を進めること
  2. 水辺の活用について
① 市民の憩いの場として、「水辺の場」づくりを推進すること。

2. 地域活性化と街づくり
2-1【東静岡市有地の利活用について】
(背景)
東静岡の市有地をどのように活かしていくかは、本市の将来にとって極めて重要な問題である。現在までに、アリーナを含むホテルの誘致や清水エスパルスのホームスタジアム移転を念頭に置いたJ1のライセンス基準をクリアする新スタジアム建設などが浮上している。しかし、いずれの案もまだ十分な検討がなされておらず、民間活力の導入等、莫大な建設費の負担をどうするかなど、時間を要する大きな課題が山積している。同エリアの整備については、市民、民間企業・団体、行政の役割を明確にし、特に、方針の決定に際しては市民の理解を広く求めていく必要がある。
(提言)
1. 「水と緑」をテーマとした静岡セントラルパークを造成し、文化芸術の発信や野外イベント、Xスポーツなど多目的に利用できるフリースペースとして活用すること。
2. 民間事業者も含めた「エリアマネジメント」を構築する組織を早急に立ち上げること。
3. 多目的利用が可能な方向で整備し、切れ間のないイベント実施でMICEの推進を図ること。
(提案)
「(仮称)静岡四季の森公園」
この公園は①「次世代に価値をつなげるみどりの創造拠点」として日常的にも災害時にも「心の拠り所」となる場所の実現を図ること、②公共が整備する公園や道路と事業者が整備する公共空地などが機能分担しながら、平常時だけでなく災害時にも一体的に機能し、連続的な空間となるよう、適切な整備や運営を行うこと、③都市公園と公共空地は、「静岡の新たなエネルギーを生み出す活動拠点」の一つとして、にぎわいと環境が調和した空間を目指すことを基本的な考えとする。

2-2【JR 静岡駅南口(駅南)地区の整備促進】
 (背景)
静岡交通ビル・パチンコ店の一帯はビルの老朽化が進んでおり、防災の面からも、景観の観点からも再整備が必要な街区である。またJR静岡駅北口には大型バスが入れないため、南口にバスの停車場が集中している。しかし正規の場所がなく路上に駐車しているのが現状である。
(提言)
1. 静岡交通ビル・JR南口駅東側パチンコ店とその東側の駐車場となっている街区(駿河区南町16番地)の再開発を進めること。
2. 当該街区を立体化または高層化し駐車場、バスの発着場を整備すること。

2-3【大谷まちづくりの整備について】
(背景)
大谷・小鹿地区の約125ヘクタールの市街化区域に囲まれた調整区域内農地について、平成29年度工事完了予定である静岡東スマートインターチェンジの開通に合わせ、本市としても平成25年11月に新たな5つのコンセプトを明記した大谷・小鹿地区土地利用計画が公表され、現在は地元地権者、関係企業、関係機関等との調整を進めているところである。また、第3次総合計画の素案の中でも、静岡市の将来を左右する重要な地域として示されている。
(提言)
1. 交流機能エリア
① 市内観光地への拠点として情報発信機能を整備すること。
② 日本初、商業用陸上クロマグロの養殖場の整備を推進すること。
③ 農業エリアでとれた農作物を活用した「農と食」をコンセプトに人の集まる施設
整備を推進すること。
2. 農業機能エリア
 ① 既存農家の意向を重視し、大谷・小鹿地区土地利用計画を推進すること。
② 静岡大学の農学部と連携した水耕栽培、薬草の研究を推進すること。
3. 工業機能エリア
① 住宅地内にある町工場、加工場などの市内企業の移転を進めること。
② 企業間のイノベーションが起きるようにマイクロファクトリーなどのコンセプトの導入を推進すること。
③ 今後、成長が期待できる新産業の誘致を積極的に進めること。
4. 物流機能エリア
① 地元物流業者が共同で利用できる駐車場とストックヤードを共有できる新たな物流拠点の整備を支援すること。
② 住宅地内にある市内物流企業が移転する場合の支援を行うこと。
5. 居住機能エリア
 ① 民間企業と連携し、ドイツヴォーバン地区のような循環型環境先進住宅地の形成
を推進すること。

2-4【麻機遊水地の整備活用】
(背景)
麻機遊水地は自然再生推進法に基づき、失われた自然を再生することに主眼が置かれている。従って過度に整備を進めることは法の精神に則さない。したがって「環境教育の推進」、「自然環境保護」、「循環と共生のまちづくり」、「里地・里山の保全」の視点を以て整備し、並行して、ラムサール条約登録湿地釧である路湿原や尾瀬等にも引けを取らない観光資源として利用することも念頭に置かねばならない。具体的な内容は地域の小学校、町内会、ロータリークラブなどやNPO法人麻機湿原を保全する会、柴揚げ漁保存会、歴史文化を研究する麻機村塾など、県土木事務所から依頼した17団体を中心とする自然再生協議会との協議の上決定していくべきである。
(提言)
1. 整備にあたっては自然再生を主眼とすること。
2. 観光資源としての視点を以て整備すること。
3. 具体的な整備案は保護団体や市民の意見を反映したうえで決定すること。

2-5【世界遺産構成資産の三保松原から折戸湾の復元】
(背景)
日本3景といわれる中に、松島、天の橋立、三保羽衣の松とある。その清水地域の景観の素晴らしさを称えた歌に「鉄舟(寺)、龍芸(寺)、湾頭にそびえ、日本平を收む、天下の景。美保羽衣霊性の松、織戸帰阪の船、袖師ガ浜は麗人の憂いを残し、秋葉の浙江、清見の松韻、客情を浮かぶ」、清水八景という歌がある。その中でも最も美しい景色は折度湾から望む富士山であり、市長室の前に和田英作氏「真崎からの富士」が掲げられているが、同氏の書いた折戸湾から望む富士の姿を描いた絵は現在、皇室にも掲げられている。その昔、折戸湾の貝島には貝島御殿があり、この景観を愛し、古くは三保羽衣、日本平周辺に多くの文化人が移り住んだ地域でもあった。三保松原の世界遺産構成資産としての価値は、この周囲の景観が織り成すことで本当の価値を見出すのである。
(提言)
1. 折戸湾の貯木場に残る杭の撤去を県に要望すること。
2. 汚泥の貯まった湾内の水質調査及び改善を推進すること。
3. 三保の松原から折戸湾周辺の景観復元について可能性を調査し、推進すること。

3.経済の活性化
3-1【産業振興について】
(背景)
地場産業の振興、工業の振興、伝統工業産業の振興、企業誘致などを柱として、本市の産業振興策が進められてきた。特に、中小企業・商店の活性化は経済の発展のみならず、地域の雇用、定住化、そしてコミュニティ醸成に必要不可欠と思われる。各種融資制度などとあわせ、企業の足腰を強くするための誘導策が必要と考える。
(提言)
1. 静岡型CSR活動認証制度を導入すること。
2. 中小ものづくり企業のための「総合支援拠点」となる「ものづくりビジネス支援センター(仮称)」を開設し、商工会議所等関係団体の協力のもと、常設展示やビジネスマッチング、国際ビジネス相談等に積極的に取り組むこと。

3-2【清水港(海釣り公園)について】
(背景)
清水都心の活性化として、ウォーターフロントの魅力ある空間づくりを目指すとともに、駿河湾フェリーの活用、客船の誘致などを推進していく「清水都心ウォーターフロント活性化推進事業」が進められている。しかし、潜在的に高い可能性を秘める臨海部の再整備、また、人の交流をどのように地域経済の活性化に結びつけていくのかが課題となっている。
(提言)
1. 官民一体となった「(仮称)魅力ある空間づくり計画」を策定すること
2. 江尻地区から日の出地区に至る、賑わいのある遊歩道を整備すること
3. 倉庫群を活用した商業活動を推進すること
4. 海釣り公園(仮称)を早期整備すること
5. プレジャーボート係留施設を整備すること

3-3【中心市街地の活性化について】
(背景)
本市の商業は、中心市街地における高い商業集積を背景に順調な伸びを示してきたが、年間販売額は平成3年をピークに減少に歯止めがかからない状況にある。車社会の進展を背景とした郊外店舗の立地が進むなど、商業をめぐる競争が激化しているなかで、地元購買率や周辺市町からの消費者流入率が低下傾向にあり、中心市街地における商業活動の停滞化が懸念されている。商店街の問題は外ではなく、内にある。魅力的な商店街とは、そもそも魅力的個店の連続した街並みを意味するからである。商店街を構成するそれぞれの個店が、時代変化に目覚め、生活者にとってなくてはならない魅力的な個店になることをおいて、商店街の再生は今や困難といえる。全体的には商品構成、さらには業態の変更等抜本的な改革指導も必要である。

(浅間通り商店街)
(背景)
静岡浅間神社の門前町として発展してきた浅間通り商店街は、市街地北部に位置し、1番街から5番街まで南北600mのメインストリートで形成されている。周辺には、徳川時代の武家屋敷跡が史跡として点在しており、駿府城公園を中心としたエリア的観光拠点として、市民に親しまれてきた。しかしながら、景気の低迷による店舗の減少、イベントの一過性、静岡まつりとの連携不足等市内外からの客数の減少が顕著となっている。徳川家康公顕彰400年記念事業開催に併せ、今一度地域の歴史に視点を置いたまちおこしが必要となってきている。
(提言)
1. 西草深公園の再整備については、浅間神社・浅間通り商店街・自治会連合会との協議を進め、駐車場の整備・緑地帯としての整備計画を策定しその推進に努めること。
2. イベントの開催については1商店街だけのイベントとして捉えるのではなく、周辺自治会等との連携を図り、静岡市のイベントとして格上げして静岡市との更なる連携を図ること。
3. 徳川時代の史跡を一目でわかる、(仮称)「徳川時代の駿府マップ」を作製し、市内外の観光PRに努めること。駿府城公園を中心としたスタンプラリーと連携し、「家康公検定」を簡易に行う仕組みづくりを行うこと。(史跡標記の活用)
(七間町商店街)
(背景)
「七間町物語」の中でも示されているように、七間町は「映画・娯楽を楽しむまち」そして「ぶらぶらとそぞろ歩くまち」とのイメージの下、市民にとっては静岡市の象徴的商店街として親しまれ、映画館の跡地周辺は、「七間町通り-駒形通り」と続く商店街の軸を中心に、下町的なかいわいや青葉通り・常盤公園等の緑豊かな空間、駿府城下町時代から続く歴史ある社寺などが半径200mに収まっており、歩いて楽しめる地区として発展してきた。しかしながら、映画館の撤退後若者の街としてのイメージは一変し、市民は362号を超えて、七ぶらを楽しむ状況が消えてしまった。静岡市はオリオン座跡地に、「静岡市上下水道庁舎」の建設を決定し、庁舎建設に併せ庁舎ビル内に民間専門学校の誘致を決定した。町の形が変わっていく現状の中、地域に於いては地域協議会が発足し今一度、七ぶらエリアとしてのあり方について検討が始まっている。地域の魅力を再発見し、エリアとしてのまちおこしが必要となってきている。
(提言)
1. 「七間町映画館跡地周辺地区街づくりに関する研究会」の提言を遵守し、エリアマネジメントの推進のための組織の育成に努めること。
2. 七間町・常盤公園・青葉ロードの回遊性を高めるため、軽トラ市の開催(毎週土日開催)を推進すること。
3. 常盤公園における土・日開催の大道芸イベントの開催を推進すること。
(草薙商店街)
(背景)
草薙地区は有度山の北側に位置し、公共交通において国道一号線、南幹線、JR草薙駅、静岡鉄道草薙駅が立地する交通の要衝であり、更には県立大学や県立美術館など教育・文化的な施設が存在する地域である。現在、地域の中心であるJR草薙駅においては南北自由通路を含めた周辺整備、駅前については草薙駅前再開発ビル建設が進められるなど、静岡市における重点地域としての機能を充実させているところである。他方、草薙商店街は他の地域と異なる特色を持っている。「若者・学生」「教育・文化施設」「閑静な住宅街」、その中心に「商店街」が存在しており、現在、商店街を中心に「つながるくさなぎ」をコンセプトとして活動している。
(提言)
1. 静岡市政においては、商店街、地域住民、大学、企業とのつなぎ役としての責務を果たすこと。
2. 再開発ビル内につながる場としての(仮称)「草薙コミュニティスペース」の整備を行うこと。
(清水駅前銀座商店街)
(背景)
古い歴史を誇り、造船業・港湾関連事業の繁栄を背景として、その従業員や家族及び地元住民に愛され賑わいを誇っていたが、商店街の来訪者は減少している。業態は衣料品を扱う店舗が多く、近年はアーケード及び店舗の老朽化が進んでいる。郊外幹線道路沿いへの大型ショッピングセンターの進出やロードサイド型の各種専門店の登場、隣接する旧静岡市の発展によって、中心市街地からの買い物客の流出が激しい。
(提言)
1. 交流空間としての活用。特色あるイベントを継続的に実施、サポートしていくこと。
2. 駅東の「河岸の市」、「テルサ」、「マリナート」から清水駅前銀座商店街へ回遊性を向上させる施策を推進すること。
3. 同地区で行われる各種イベントとの連携、連動について検討すること。
(清水銀座商店街)
(背景)
「清水銀座まちゼミ」の開催や、清水銀座マップの配布など、個店個性を前面に出すイベント・企画が注目されている。
(提言)
1. 商品知識の豊富な個性的な店主も多く、大手広告代理店等のコラボを含め、継続的な話題づくりを積極的にサポートしていくこと。
2. 江尻宿に由来する歴史ある商店街であり、家康公顕彰400年記念事業企画に連動させること。
(江浄寺には岡崎三郎信康公〔家康公の第一子の遺髪〕の御廟所が祀られている。こうしたことから、東海道を往来する大名が行列を止め、御廟にお参りすることが常となっていた。また朝鮮通信使の一行も、この寺に二回宿泊している。 岡崎三郎信康公は、家康公と築山御前の嫡男で、信康公が武田家と内通していると疑われ、織田信長の命令によって築山御前と共に戦国の犠牲となった。家康公は苦しむが、信長との同盟を守り、徳川家を存続させるため、天正7年〔1579〕9月15日、信康公は遠州二俣城内で自害。時に21歳の将来を属望されていた若武者だった。 慶長11年〔1606〕、信康公の家臣榊原清政の侍女と平岩親吉〔ちかよし〕の二人が、住職との縁で信康公の遺髪を境内に埋め、その当時の五輪塔が供養のため現存している)

(次郎長通り商店街)
(背景)
清水の次郎長の生家がある昭和の雰囲気が漂う商店街。核施設となる生家には次郎長が使った道具や井戸があり、写真や資料も展示されているが、老朽化が激しく存続が懸念されている。
1. 次郎長生家を活かす街づくりの会への広報支援などを行うこと。
2. ドリームプラザ、末広、生家、梅蔭寺、の回遊性を向上させるための案内標記を整備すること。
3. 家康公顕彰400年記念事業と連動(咸臨丸事件等)させること。

4.交通体系の推進
4-1【本市のバス交通の将来像の明確化について】
(背景)
公共交通の空白地域がなく、効率的かつ効果的に運行する、バス交通のネットワークを形成することにより、誰もが乗りやすく、快適な生活環境を実現することが急務である。特に郊外部や中山間地において、バス交通の担う役割は、ますます重要となる。市民・バス事業者・行政の適切な役割分担のもと、バス事業者への欠損補助から、自主運行バス、デマンドバスなどによるバス交通の確保が求められている。
1. 「バス利用促進策」
安全で快適に利用できるバス交通の実現を図るため、超低床ノンステップバスの導入、パーク&バスライド、サイクル&バスライドなどの整備に取り組むこと。
2. 「バス路線網再編」
効率的で効果的なバス交通ネットワークの実現を図るため、路線の集約化やコミュニティバスの導入、中山間地と市街地を結ぶ拠点の整備推進すること
3. 「バス路線維持対策」
持続可能なバス交通の実現を目指し、中山間地におけるデマンド運行や過疎地有償運送などの導入を推進すること。

5.MICEの推進
5-1【三保の松原について】
(背景)
世界文化遺産富士山の構成資産である三保松原のエリアは、主要なコア部分と海面を含んだ周辺のバッファ部分から成り立っている。そのうちの陸地部分の面積は254ヘクタールで、国指定名勝三保松原の範囲とほぼ重なっている。所有者の内訳は、国有地38.9%、県有地0.4%、市有地が5.2%で、私有地は55.5%。松原における松の管理については、現在、市有地と県有地では、それぞれが管理を行っているが、その他の土地については、松葉が厚く積もったところや雑草が繁茂したところもあり、現状として松の育成を目指す統一した管理ができていない。本年度、国有林、公有林、そして、民間が所有する私有林にわたる松原全体の管理基本計画を策定するとしているが、今後は、諸施策の実行と保全、観光をどのように両立して進めていくかが課題となっている。
(提言)
1. 電柱等の地中化による景観の向上、交通渋滞の緩和のための道路整備をすること
2. 羽衣資料館の早期完成
① 「羽衣伝説」を基調とした物語性を紹介する施設として整備すること。
② 子供から大人まで親しまれる施設とし、近代的映像技術を活用した施設として整備していくこと。
3. 旧清水港線活用
① 旧清水港線敷を活用して四輪車によるトレイン等を運行させ、観光及び市民の移動手段として復活すること。
4. 観光とスポーツ交流の拠点としての整備
① 富士山を望むグランドでグラウンドゴルフ全国大会「(仮称)三保松原カップ」を定期的に1000人以上の大会を開催していくこと。またその為の新しい組織の早急に設置すること。
② 四季を通じたスポーツ観光の宿泊を含めた誘致を積極的に推進すること。
③ 三保を題材にした写生大会やフォトコンテストの開催すること。

5-2【用宗地区・用宗港の活用、整備について】
(背景)
「用宗地区」は、静岡市の西南端に位置し、用宗海岸は西側に「大崩」のある石部海岸、東側に用宗漁港と広野海岸に囲まれた自然環境に恵まれた地域であり、シラス漁、桃園、みかん畑等、静岡市を象徴する食の宝庫としても親しまれている地域である。今日まで海洋観光施設としての「用宗フィッシャリーナ」の整備、広野海浜公園の整備、用宗漁港では、シラス漁の解禁時期に併せて、「用宗漁港まつり」が行われ多くの市民が来場し、賑わいを創出してきたと認識している。しかしながら、平時における用宗駅乗降客は年々減少傾向にあり静岡市の観光資源としての活性化が求められるところである。各施設を用宗エリア全体の魅力としてPRし、市内外からの観光客誘客に結びつけることが必要である。
(提言)
1. 用宗港の再整備については、管理者である清水漁協・地域で活動する協議会との連携の下、地域おこしのイベントの推進に努めると共に、賑わい創出に資する用宗フィッシュアリーナを含めた「用宗港振興構想」(仮称)策定に着手すること。
2. 用宗エリアの回遊性を高めるために、レンタサイクル等の活用を検討すること。
3. 静岡市の各漁港との連携を図り、「用宗しらす」など静岡ブランドの鮮魚の発信力を高めること。

5-3【総合歴史博物館整備について】
(背景)
 静岡市には、現在「静岡文化財資料館」、「埋蔵文化財センター」「登呂博物館」等静岡の歴史を紹介する施設が存在している。更なる市民の郷土に対する誇りを醸成する施設としての活用が求められる。静岡市歴史文化施設の基本方針に示されているとおり、「このまちの未来をより豊かなものにしていく為には、先人達が残した大切な歴史遺産の意義を理解し、まちづくりに生かしていく必要がある。静岡の文化の素晴らしさを、全国のみならず世界に向けて発信し、さらには、静岡を訪れる人々を引き付ける、魅力ある展示を通じて拠点として歴史文化施設を建設」する事が求められている。平成22年12月「静岡市歴史文化施設 基本構想(案)」が示され、パブリックコメントが行われて以降、建設計画策定へと準備が進められている。
(提言)
1. 現在は、旧青葉小学校跡地に建設予定とされているが、想定される予算の捻出とアセットマネジメントの観点からも単独施設としての建設は、財政上の負担が大きい。駿府城公園に隣接する良好な立地条件である事から、静岡市民文化会館の建て替えと合わせ、合築での建設が望ましい。又、施設の管理運営上も、大きな負担が想定されることから、民間活力を活用したPFI等の手法による建設も検討すること。
2. 当施設は、観光の拠点であると共に市民の郷土愛の醸成の場でもある事から、子供から大人まで楽しみながら郷土の歴史に接する為の環境が求められる。映像等を活用して、時代ごとの街並みを体感できる施設等体験型施設として、整備すること。
3. 当施設は、駿府城公園を中心とする歴史文化施設であり、エリアとして歴史探訪の拠点施設として捉え、回遊性を高めるため周辺文化財への交通アクセス(竹千代号等の活用)の検討を行うこと。

5-4【久能石垣苺を世界農業遺産登録へ】
(背景)
久能石垣苺の発祥は諸説あるが、古いところでは明治二十九年松平健雄宮司より託された苺苗を玉石の間に植え、温室の無い時代、 地道な観察と研究の末、冬にもかかわらず石の輻射熱を利用した甘く香りの高い苺の栽培に成功したことによる。観光農業としてのいちご狩りの歴史は今から100年前とされており、我が国における観光農業の始まりともいえる。また、久能石垣苺を取り巻く環境は、国宝久能山東照宮を背景に、羽衣伝説を持つ美穂神社(西平松と三保)に挟まれた地域で栽培されており、古くから歴史・文化的にも発展した地域である。
(提言)
1. 久能石垣苺の文化的、技術的価値を研究し、そのPRに努めること。
2. 久能石垣苺の世界農業遺産登録に向けて可能性調査を行うこと。

5-5【駿府城(家康城)の再建】
(背景)
駿府城の再建に向けた取り組みは20数年来続く、市民運動である。本年10月には再建を主張する団体が一本化される予定であり、駿府城再建への機運は高まってきている。これに先立ち平成26年7月においては川勝静岡県知事も市の問題としながらも再建について前向きな意見を公表し、静岡市田辺市長も過去の検証には拘らず検討したいという旨の発言をしている。また、2015年は徳川家康公顕彰四百年の年度であることから、再建に向けた事業スタートとしては最高のタイミングである。再建中もスペインのサグラダ・ファミリアのように駿府城再建の様子は観光資源として継続的な活用が期待できる。
(提言)
1. 世界最大の木造建築として日本の伝統的な職人技術を元に木造で再建すること。
2. 市民・民間の協力
① 基金の活用
静岡市には「駿府城等駿府公園再整備基金」が約20年前に議会で条例制定されており、企業や個人はその基金にお金を支払った場合に損金扱い(税控除として使用可)となる。基金のPRに努め、市民の出資・市民の参加による再建を推進すること。
② 民間活力の導入
建設についてはPFI、PPPの活用等、民間活力の導入を促進すること。
3. 観光資源としての活用
市民、事業者、行政が一体となって作りあげる駿府城として「(仮称)駿府城再建委員会」を設置し推進すること。

5-6【情報発信力の強化】
(背景)
観光交流都市を目指す本市において、限られた経費でどのように外にPRをするかが課題である。一方で、静岡市出身の芸能人や文化人の中には日々日本中で活動し、地元静岡市のPRをしている方も多くいる。いわゆる、歩く広告塔である。彼らに静岡市をより宣伝してもらうためには公的肩書きが必要である。静岡市は観光親善大使の2名のみであり、他市に比べても少ないのが実情である。
(提言)
1. 静岡市の知名度を上げる為、観光大使を増員し観光客の誘客に努めること。

5-7【政令市である静岡市、専門的人材育成に特化する】
(背景)
これまでゼネラリストを育成する本市の人材育成であったが、将来の特別自治市への希望や市民ニーズの多様化・複雑化が進んでいることから専門的能力を持つ職員の育成が急務である。
(提言)
1. 計画的な専門官の育成を人材育成の柱とすること。

6.安心・安全
6-1【静岡・清水市立総合病院について】
(背景)
清水病院の診療科目は、本年4月現在、25の診療科のうち、常勤医師が不在の診療科は、精神科、循環器内科、呼吸器外科及び耳鼻咽喉科、腎臓内科の5科。清水区における基幹病院としては危うい状況にある。医師確保に悩む全国の自治体病院の中には、院長他、強力なリーダーシップのもと、医師の確保に向け大きな成果を出している病院も少なくない。また、静岡病院について経営の安定が見られるものの、更なる創意工夫を持って医師の定着をはかることが必要である。今後、静岡・清水の両市立病院が質の高い医師の確保により、基幹病院として高度な医療サービスを市民に提供していくためにはソフト・ハード両面での早急な対応が求められている。
(提言)
1. 医師の多様な勤務体系の整備をすること
2. 教育研修管理室等の組織整備を行うこと
3. 女性医師のための働きやすい環境の整備を行うこと
4. 最新医療機器の整備を行うこと
5. 医師研修設備の整備を行うこと
6. 病棟改修などにより療養病棟の整備をすること

6-2【防災・津波対策】
(背景)
平成25年度の「第4次地震被害想定」ではこれまでの東海地震のような発生頻度が比較的高く、発生すれば大きな被害をもたらす地震津波を「レベル1」、発生頻度は極めて低いが甚大な被害が発生する「レベル2」に分類されている。静岡市では過去の大災害からの教訓も踏まえレベル2にも対応できるように従来の施策の充実・強化や、津波被害への対応など、新たな課題に対する対策を推進し、「災害に強く、安心・安全なまち」を構築することが求められている。また、静岡県としてはレベル1対応をハード面で対応するとして10年で2000億円の予算を組んでおり、その実施については地元意見も尊重し、決まったところから実施する旨の方針である。
(提言)
1. ソフト対策
① 災害図上訓練のさらなる拡大と町内ごとでの実施を進めること。
② 防災担当には一定期間地域に消防団に加入することを推進し、消防団員は地域の防災員としての活動に加入すること
2. ハード対策
① 市としては、整備方針を早期に決定し、積極的に県や国に働きかけを行い、津波被害への軽減を早急に対処すること。

7.将来を担う人づくり
7-1【教育クラウドについて】
(背景)
平成26年6月14日に「世界最先端IT国家創造宣言」が閣議決定されたことに伴い、
以前より総務省と文部科学省が連携して進めていた教育の情報化やクラウド活用が加速していくことが予想される。このプロジェクトは「2020年までに、フューチャースクールの全国展開を完了」とすることを目標としている。本市においても積極的に取組むことにより次世代を担う人材育成の環境構築が必要である。
(提言)
1. 教員のICT教育の充実
教材データベースの活用による教員の負担軽減を行う為、教員がITを活用できる環境の整備と指導方法の標準化、研修の充実を行うこと。
2. 教育環境のICT化の推進
デジタル教科書・教材の導入や電子黒板の1クラス1台の整備、生徒1人1台の情報端末の導入などを促進すること。
3. セキュリティ対策と校務支援の充実
個人情報の漏えいを防ぐと共に、教員の負担を軽減するためクラウド上での校務支援システムを活用すること。防災の観点からも情報のバックアップのためにクラウド化を進めること。
4. ICT道徳教育の充実
情報リテラシーの育成や情報モラル教育の充実を図ること

7-2【コミュニティ・スクール制度の推進について】
(背景)
現在静岡市においては清水江尻小学校を研究校として指定し、静岡市版コミュニティ・スクールの実現に向けて取り組んでいる。しかしながら既に全国でコミュニティ・スクールとして登録されている学校が平成26年4月現在で1919校となり、静岡県においても昨年度の4校から大幅に増加し19校が指定されている現状では、静岡市において研究校が1校だけでは取り組みが遅れていると言わざるを得ず、速やかな研究の促進・規模拡大が求められる。
(提言)
1. 地域と共にある学校づくりを目指す為に学校・保護者・地域が一体となって取り組む体制づくりを早急に行うこと。
2. コミュニティ・スクール研究指定校の拡大と、得た成果を速やかに開示し情報の共有化を図ること。

宮沢担当部分の会派要望 原案

会派要望で私の担当の項目について掲載します。
また、ご意見お聞かせください。

2.東静岡市有地
セントラルパークとして野外イベントやXスポーツなどへの積極的活用

(背景)
東静岡駅前市有地については、合併協議会よりアリーナ構想が取り上げられていたが、静岡県の草薙総合体育館立て直しと同時期にあったことから重複施設への懸念により、アリーナ構想の検討が一時停止状況であった。
その後、開催された「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」では開催8ヶ月間で予想を大きく上回る来場者160万人を達成した。この成功は現在の敷地が更地であったから出来たイベントでもある。また、現在は積極的に貸出はしていないものの、貸出した場合の使用料金は月額1800万円の収益が見込め、政令市の中においては駅前に屋根のない土地は珍しいのである。

(目的)
 以上のことから、アリーナ建設ではなく希少価値のあるセントラルパークとしての整備を勧め、NYのセントラルパークのように市民の憩いの場であり、文化芸術の発信地としての活用を進める。

2-2.東静岡駅市有地市民整備案
(背景)
市には資金がない。
民間事業者であるエスパルスがサッカーグラウンドを欲しいのであれば、市の土地を貸与してはどうか。
サッカーの町として発展するのは、立派なサッカーグラウンドがあるからではない。市民の応援があって初めてできるものだ。スタジアムを整備したいという目的で清水エスパルスが寄付を募ったらどうだ。広島の市民球団のように、市民が育て上げ、資金が集まったらサッカーグラウンドを建設する。
J3の藤枝MYFCですら、グラウンドは市民からの協力だ。集まらなければ、セントラルパークとしての利用を継続する。
(目的)
市民が応援し、作り上げてこそ、初めてサッカーの町静岡と云えるだろう。
清水エスパルスも球団(チーム)をあげて、市民への啓発に取り組んでいただけるように期待したい。

4.大谷・日本平
 静岡市の将来を担う、世界のコンセプトを絡めた先進地域へ
(背景)
この大谷・小鹿地区については2005年の市街地編入に向けた取り組みや、大型ショッピングモール誘致の動きがあるものの、静岡市の方針として平成25年3月交付「静岡市良好な商業環境の形成に関する条例」により郊外への大型商業施設の立地が規制される運びとなった。一方で、ネクスコ中日本との協議が終わり共同で進める静岡東スマートインターチェンジは平成29年度に開通する運びとなっている。
 そのような中で、平成25年度大谷まちづくりのコンセプトが決定された。そこには5つのコンセプトが区切られているが、継続的にここで要望したいことは中身である。
① 食と農を元にした核となる施設の設置
・日本初、商業用陸上クロマグロの養殖の推進
・静岡大学の農学部と連携した水耕栽培、薬草の研究の推進
・農業と食をつなげた施設の設置
② マイクロファクトリーの設置
 ・市内企業移転の推進
 ・企業間のイノベーションの推進
 ・新産業の誘致と支援
③ 物流拠点の整備
 ・駐車場とストックヤードを共有できる新たな物流拠点の整備の支援
 ・住宅地にある市内物流企業の市内企業移転への支援
④ 日本平サービスエリアの誘致
 ・ETCを活用した一時休憩地点として、大谷まちづくりの各施設の利用とその場での市内観光の拠点としての整備の推進
⑤ エネルギーの自立に向けて地元企業との連携・支援

(目的)
 民間企業での取り組みが主な事業とはなるが、官地を除く約90haにもなる開発については静岡市の関与が重要であることと、市長も云われるように静岡市の今後を左右する一大拠点をなることが考えられるので世界のコンセプトをここで実現することは静岡市の将来に大きく左右するので上記を要望したい。

6.駿府城(家康城)の再建

(背景)
 駿府城の再建に向けた取り組みは古くは20数年前からある運動である。そこに来て、本年10月には再建を主張する団体も一本化され、7月においては川勝静岡県知事も市の問題としながらも再建について前向きな意見を公表し、静岡市田辺市長も過去の検証には拘らず検討したいという旨の発言をしている。

再建にあたっては3つのポイント
① 世界最大の木造建築 
日本の伝統的な職人技術を元に再建するその姿は富士山を借景に聳える世界最大級の木造建築物(高さ45m)であり、木造での建設を要望する。
(※近年では、木材加工技術の発達により、イギリスでは木造建築で9階建てのビルも建築されています。)
② 市民・民間の協力
②-1基金の活用
静岡市には「駿府城等駿府公園再整備基金」が約20年前に議会で条例制定されており、企業や個人はその基金にお金を支払った場合に損金扱い(税控除として使用可)となる基金が既に制定されており、市民の出資・市民の参加による再建の推進を要望する。

②-2民間活力の導入
 PFI、PPPの活用による整備の推進。
 国も手続きを簡素化して、民間活力の導入を促進するそうだが、市としても積極的に民間活力による再建を要望する。

③ 観光資源
300年先に残る家康公の城を市民の手で作りあげる。
それもスペインのサグラダ・ファミリアのように時間をかけて、建築の様子も観光資源として活用すればいいのです。世界で唯一、260年余の天下太平の世を築いた徳川家康公の城、日本とイギリス、オランダなど世界の国々との国交が始まったのもここ駿府、家康の城で調印が行われました。静岡市と世界との交流・平和のシンボルとして、市民の手で築城できると考えています。

(目的)
いよいよ2015年は徳川家康公顕彰四百年の年度と再建に向けた事業スタートとしては最高のタイミングである。この事業も、市民の寄付が集まらなかったら、そこまでの事業です。まちづくりの中心は市民である。
何もやらないで衰退するより、市民一同、思い切って挑戦し、活気ある静岡市となることを切に願う。
 合わせて、県知事にも協力の要請をすることを要望する。

14.防災・津波対策(宮沢)
静岡市の人口減少の一部ではあるが、震災への影響も考えられる。
一刻も早く、安心・安全のまちを全庁あげて、全力で取り組むことを要望する。
(ソフト対策)
・災害図上訓練のさらなる拡大と町内ごとに実施。
町内ごとのワークショップでは防災士などのボランティアの導入を進めること
 ・消防団と町内の防災担当との連携を図ること
  防災担当には一定期間地域に消防団に加入することを推進し、消防団員は地域の防災
員としての活動に加入すること
  ※別紙参照

(ハード対策)
・津波対応について、レベル1対応でかなりの被害軽減が見込める。
静岡県としてはレベル1対応をハード面で対応するとして10年で2000億円の予算を組んでおり、その実施については地元意見も尊重し、決まったところから実施する旨の方針である。市として、方針を早期に決定し、積極的に働きかけ津波被害への軽減を早急に対処してもらいたい。

19.みどり条例の推進
市としての整備を進め(計画的にすることで今よりも経費の削減が期待できる)、さらに地元市民との協力により、緑豊かな静岡市の実現を目指してもらいたい。若い世代の流出が最も多い静岡市において、憩いや景観美をもたらしてくれる「まちのみどり」は、まちづくりにおいても、若者に愛されるまちとしても、重要な施策である。ぜひ、積極的にすすめてもらいたい。

(背景)・・・要約可能 
宮沢が2年間で、全国の緑化について調査した内容をレポートとしてまとめた。
 そのレポートの「はじめに」を参考に記載する。
 石井さんの方で、要約願います。

街中の緑化について、静岡市在住の方はどのように感じるだろうか。山にはみどりがあるし、所々に公園もある。私自身そもそも、街中のみどりの必要性やその効果自体について「あればあったに越したことはない」程度の感覚であったが、実情について静岡市域の緑化率、全国の20政令市を比較したところ、市街化区域内に整備されている街路樹は平成22年度時点で20政令市中ワースト3位、平成18年度まではワースト1位、続いて公園面積、公園設置数共に20市中ワースト1位。このことから市民から発せられた声は切実な声・要望であると捉え、他都市の事例や取り組みについて調査を始めた。
 このレポートではまず、緑化が進んでいない事について街路樹や公園数だけを問題として捉えることをせずに、第1章で緑の多様な機能の検証をし、緑化が生活においても潤いを与え、また緑化事業の投資的効果について検証した。
続いて、第2章では政令市20都市と静岡市との比較を行った。特に、なぜ静岡市で緑化が進まなかったのかを、道が狭い、山があるから、お金がないなどよく云われる、不可能とされる理由が果たして本当にそうなのかを様々な角度から検証し、緑化先進都市注1)と静岡市との違いは何であるか、緑化が進まない理由はそこではないことを実証した。
第3章では現地調査に訪れた、北九州市、広島市、神戸市の緑化政策が進められてきた背景を踏まえ、政策的な比較により静岡市の課題を明らかにする。特にそのまちのビジョンはどうか、街路樹などを管理する制度があるか、民間との協同はどうかなど、制度ごと静岡市と先進市とで比較した。結論、静岡市は先進都市に比べてビジョン、道路緑化マニュアルや街路樹管理マニュアルなどの制度、基本となる街路樹の台帳不足、市長の姿勢が欠如している事が明らかになった。
最後の第4章では第3章をもとに、静岡市が緑化を進めるにあたっての今後のビジョン、また静岡市で導入するべき緑化政策や先進的な緑化政策案について考察した。
おわりにでは、これまで検証した第1章から第4章までを静岡市に具体的な提案として行った結果について、平成25年度より実際に静岡市に導入された制度も踏まえ紹介する。
また、先に述べておくが緑化整備と一口に云っても多岐に渡ることから、緑化を市街化区域内にある都市公園と市域の道路沿道に整備されている街路樹とし、具体的な制作比較は主に街路樹について論ずることにした。

□ 追加
20.久能石垣苺を世界農業遺産登録へ
背景
久能石垣苺の発祥は諸説あるが、古いところでは明治二十九年松平健雄宮司より託された苺苗を玉石の間に植え、温室の無い時代、 地道な観察と研究の末、冬にもかかわらず石の輻射熱を利用した甘く香りの高い苺の栽培に成功したことによる。
観光農業としてのいちご狩りの歴史は今から100年前をされているが、日本における観光農業の始まりではなかろうか。
 国宝久能山東照宮を背後に控え、羽衣伝説を持つ羽衣神社(西平松から三保)に挟まれた地域で栽培されており、古くから文化的にも発展した地域である。

21.世界遺産構成要素の三保松原から折戸湾の復元
背景
 日本3景、松島、天の橋立、三保羽衣の松。
以前の清水の景観を歌った歌がある。清水八景、秋葉神社のご住職、天野対空さん。
鉄舟(寺)、龍芸(寺)、湾頭にそびえ、日本平を收む、天下の景、美保羽衣霊性の松、織戸帰阪の船、袖師ガ浜は麗人の憂いを残し、秋葉の浙江、清見の松韻、客情を浮かぶ
(芸妓の歌であった)(観光協会で調べればわかる)
 本来最も美しい景色は折度湾から望む富士であった。貝島には貝島御殿があり、三保羽衣、日本平周辺に多くの文化人が移り住んだ。
(目的)
 現在の折戸湾は貯木場後の杭が残り、接する工業地帯は衰退を姿を見せている。今後は杭の撤去を県に要望すると共に、汚泥の貯まった湾内の水質改善を要望する。市は、周辺の景観の復元を推進してもらいたい。

22.観光大使含め、市を宣伝してくれる大使を募集、もっと増やす
(背景)
観光交流都市を目指す本市において、限られた経費でどのように外にPRをするかが課題である。
一方で、静岡市出身の芸能人や文化人も多数いる。彼らは、日々日本中で講演し、地元静岡市の話をしてくれている。いわゆる、歩く広告塔である。彼らに静岡市をより宣伝してもらうためには公的肩書きが必要である。そこで、茨木では観光大使が数十名もいる。静岡市は観光親善大使の2名のみである。もったいづけないでもっと任命してはどうだろうか。静岡市に一人でも多くの人を連れて来てもらう事が重要なので、増員を要望する。
(目的)
 観光大使の増員で観光客を増やし、静岡市の知名度を上げる

23.政令市である静岡市、専門的人材育成に特化する
(背景)
世界的にヒットしている、リンダ・グラットン、WORKSHIFTによれば、今後ゼネラリストは必要とされない社会が近い将来やって来る。
ゼネラリストを育成する本市の人材育成を変える必要があるのではないか。政令市になっても、専門的な話が出来ないのであれば、特別自治市など夢のまた夢。自立でき、管理監督、指導が出来る職員の育成が急務である
 (目的)
 計画的な専門官の育成を人材育成の柱とすること

みどり条例への意見募集―足掛け3年、実現間近に―

平成23年9月ごろから実行委員を立ち上げて、同年11月には国立市の
上原元市長を招いて、翌年平成24年の2月9日には俳優の赤井英和さん他、
多数のゲストを招いてのシンポジウムを開催。
その間、緑化政策について先進地である広島、北九州、神戸、名古屋など
の都市の担当者を訪ねて、静岡市に何が足りなかったのか、調査し、みどりを
増やす政策として今回「みどり条例」を制定する間際まできました。

みどり条例とは、
・街路樹の計画的な管理や保全、整備(広島市、北九州市で実施)。
・都市公園の整備については無償借地(広島実施)や企業への名前
貸しによる整備(東京渋谷区)
・民間開発、1,000㎡以上の開発で緑化義務、自然エネルギーの設置を義務付け

など、市としての整備を進め(計画的にすることで今よりも経費の削減が期待
できます)、さらに地元市民との協力により、緑豊かな静岡市の実現を目指すものです。
若い世代の流出が最も多い静岡市において、憩いや景観美をもたらしてくれる「まち
のみどり」は、まちづくりにおいても、若者に愛されるまちとしても重要な施策だと思っております。

最後に、尽力してくれた関係課の課長、職員の皆様お礼を申し上げたい。
以下、静岡市のHPで意見募集しております。ぜひ、ご意見聞かせてください。
http://www.city.shizuoka.jp/000167845.pdf

【2】都市緑化政策について
-緑化率ワースト1位の静岡市、改善の可能性を探る‐
本年1月にこれまでの調査全体をまとめたレポートを制作しました。
以下に掲載します。参考になればと思います。














本会議質問  平成26年度の始めに取り組む質問は「人口問題」

日本の人口「移民で1億人維持可能」 政府、本格議論へ
ここで、ポイントを3点に絞ってみる。
① 将来人口が激減
外国からの移民を毎年20万人受け入れ、出生率も回復すれば100年後も人口は1億人超を保つことができる――。何もしなければ、2110年には4286万人に減る。 
 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、日本の人口は2012年の1億2752万人から、100年後は3分の1程度に減る。内閣府は、移民を15年以降に年20万人受け入れ、1人の女性が一生に産む子供の平均数にあたる「合計特殊出生率」も人口が維持できる水準とされる2・07に上がるケースを想定して人口を推計した。
(このままゆけば、自治体も半数が消滅するとしている。)

② 超高齢化による弊害
日本の総人口(13年)は1億2730万人。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、48年には1億人を割り込み、60年には約3割減の8674万人になる。65歳以上の占める割合も13年の25.1%から、60年に39.9%にまで拡大する。
 中間報告は「社会・経済の抜本改革をしなければ国際的地位や国民生活の水準が低下し、社会保障給付が増加して財政破綻を招く」と指摘。
 つまり、現在の若年層は将来、増加する高齢者に加えて、増えてくる子供についても、その生活を支えなければならず、彼等の社会的・経済的負担は非常に重くなる。

③ 少子化対策
30年に出生率を2.07に引き上げ、同水準を維持することで60年人口を1億545万人程度にするとしている。65歳以上の割合も33%に抑えるという。(出典:2014年2月25日朝日新聞/政府将来人口予測)
 
これらの数字を提示した増田ショック(日本創成会議の増田寛也座長(元総務相))発表以来、政府の経済財政諮問会議(「選択する未来委員会」)で話し合われ、1990年から既に警笛を鳴らされていた人口問題にここ最近では政府も真剣に取り組む姿勢を見せている。

 では、この日本において最も重要な課題の一つとされる、人口減少問題について原因を1:政治、2:少子化=結婚、3:価値観の3点から考えてみたい。
 
1:政治
 「政府指導で人口の増減は決まるか?」の問いに答えはYESである。
・人口増加政策 
戦前の日本は富国強兵という人口増加政策により、地租改正や殖産興業で経済力をつけ(=富国)、徴兵制や軍制改革により軍備を増強(=強兵)することで西洋列強に伍する力をつけようとしました。その為には兵士となる男子をたくさん産んで、お国に役立つ人間となるように育てるのが当時の女性の務めとされていました。
 
・人口抑制策
実は1974年に、日本ははっきりと少子化を目指す政策を打ち出していました。同年に厚生省の諮問機関である人口問題審議会は、人口白書で出生抑制に努力することを主張しています。73年にオイルショックがあって、資源と人口に関する危機感が高まっていたからです。象徴的なのが同年に開催された日本人口会議。人口問題研究会が主催し、厚生省と外務省が後援した会議では、「子どもは2人まで」という趣旨の大会宣言を採択しました。
(上智大学経済学部(歴史人口学)鬼頭宏教授)

人口政策はお隣の中国を見ていてもわかるように、実施当時の状況と30年後のひと世代後の状況を考えないと人口構造の歪みを形成してしまう。

 そして今度、政府が人口を増やす政策として議論しているのが、「移民政策」や「少子化対策」である。

2:少子化=結婚
 次に政府の考える想定に「ちょっと待った」を言いたい。
人口減少を防ぐのはに少子化対策か、移民のように人を受け入れるしかない。 少子化対策では、日本の場合結婚した男女に生まれる子どもが98%であり、尚且つ既婚者の出生率は比較的2(子どもが2人が生まれる)に近い。
だから、みんな結婚すればいいのだが、そう上手くは行かない。

現在、男性の未婚率は約18%、それがこのままの推移でゆくと、2030年には40%近くの男性が未婚という予想が出ている。女性の場合い、再婚も視野に入れると男性ほどではないが、それでも常用傾向にある。

 この結婚しない理由として、未婚者へのアンケート調査では、1位「出会いがない=理想の相手に巡り合わない」、2位「経済的な理由」である。
ここで、地方では「出会いの場をつくろう」、「政府は結婚させよう」しているし、経済的な解決策も模索している。それはそれでいいのだが、本当にそうなのかが私には疑問である。

結婚率を調べると、田舎の方が高く、都市部、特に東京では未婚者が多く、出生率が低い。
出会いがあるとすれば、若い男女が集う東京都がダントツで、地方は限りなく難しくなる。結婚したから地方に残ったのか、残ったから結婚できたのかは調査できていないが、現状としてそうなっている。
また、経済的な理由であれば東京などの首都圏は地方に比べてひとりあたりの所得はダントツで高い。しかし、所得水準が低い地域の方が出生率、結婚率も高くなっている。収入に対する支出費までは算出していないが、東京在住の若者の方が平均で多いことは確かである。

だとすると、結婚しない理由は出会いがない、所得が低いという未婚者のアンケートは正確ではないのではないかと考えられる。

ここで、移民政策と絡めて所得の問題を提起したい。
経済的な理由とすれば正規社員(30~35歳)の配偶者率約59.3%に対して、非正規は28.5であることから、若者の雇用の処遇の改善が必要だが、ここで、問題なのが外国人労働者、移民労働者の受け入れである。
特に、現場作業員や福祉介護関係、運送業で労働者が足りていないとするが、これは特に東京に偏っている。今、外国の低賃金で働く労働者を入れれば、建設現場や介護でプライドを持って働いているが、賃金が上がらない人との競争になり、低賃金、無職へとなる可能性が高い。
受給バランスで言えば、労働力の足りない分野では労働賃金が正規職員にまで、上昇するまで移民は入れるべきではない。
これまで、大手企業は安い労働力を求めて、海外に進出した。今度は更に一歩進んで、安い労働力を海外から日本に輸入するとどうなるか。国民の所得を増やそうとする国の政策に逆行する。
ヨーロッパではマイスターとして職人を生かしている。全ての職人がそうとは言えないが、人も文化芸術であり、人が国家を作っていると私は考えている。
 

3:価値観
次に何が少子化を助長し、人口問題を拡大させているのか。ここでも3点に絞って考えたい。

① シルバー民主主義
少子化を助長し、拡大させているというと刺激的かも知れないが、民主主義の限界ではないかと思っている。シルバー民主主義とは高齢者層が人口層の中で大きな割合を占めると、政治要望においての圧力となり、シルバー世代の要望に偏った政策になるという見方である。
実際に、GDPに占める若者世代への投資額は日本が0.8%程度に対して、欧州では3%程度と異なっている。
ひとりが一人を支える時代がすぐそこまで来ているのに対して、すでに予算は高齢者中心になっているのだから、このような予算配分についても、日本の少子化が進まない理由の一つとされている。

② 価値観の多様性
「子を産み、育てろ」と政府が言うべきなのか。この問題は非常にナイーブな問題である。
政府調査とは別に、民間、生活トレンド調査によると「結婚しない」「結婚願望がない」と答えた女性のトップは「他人と暮らすのが面倒だから」(45.2%)、次いで「出会いがない」であった。
他人と暮らす面倒さはもちろんあるが、それにも増して、子どもの成長や家族での楽しみもある筈だ。
なぜ、そのような感性になってしまうのか、インドネシアの貧困から、自給自足の種子島、オーストラリアの自然と共に生きる生活を通じて、私は若年層が集まる東京などは子育てする環境ではないからだと考える。
現に、生物学的な実験で、子マウスを使った実験ではコンクリートの箱と木造の箱で130匹の生後2週間の子マウスの生存実験をしたら、木箱での子マウスの生存率90%に対して、コンクリート箱での子マウスの生存率は15%程度であった(静岡大学で研究)。
また、イギリスでは国の法律で4階建て以上コンクリートマンションの部屋での妊婦の生活や幼児保育を禁止している。
私の住んでいた、種子島では、常に自然が身近にあり、食べるものも目の前にたくさんあり、出会いも少なく、給与も少ないが生活の不安はさほど感じなかった。
人が人らしく生きるということをもう少し見直さなければ少子化の根本的な解決にならないと思っている。

③ 適正人口
その上で、人口の適正規模をどう考えるか。
戦後の成長期の人口増加が続けば「2100年には人口が3億5000万人になっていただろう」と云われている。多ければいいのか、少なくなることがなぜ問題なのかを議論していない。
この議論は難しいところであり、国もなぜ1億人なのかという明確な理由は示せていない。
唯一あるのは、このまま人口が減少すれば同一の行政サービスを享受できないということは明らかである。
一気に増えすぎた人口に対して、今の65歳以上の方を見ると全然高齢者ではない。
高齢者の定義も昭和30年代、平均寿命が55歳のときに出来た言葉だ。
今の平均寿命は80歳を超えている。その意味からすれば、65歳以上も高齢者ではなくて、65歳を超えても元気な方はピンピンコロリンと生きがいを持って、活躍してもらえる社会をつくることが重要ではないか。
例えばであるが、昭和30年当時の高齢者の位置づけに合わせて80歳以上が高齢者にすると、社会的負担は随分と変わる。

少子化については、子どもが子供らしく、夢が持てる社会にする為に、教育や子どもを取り巻く環境を改善するべきだ。なんたって、外で遊ぶ公園は高齢者が独占に、ボール使用禁止の看板である。そして夢は公務員。公務員になって(公務員は素晴らしい仕事であるが)、「安定して老後を迎えることがいい人生」という教育自体問題ではないだろうか。

つらつらと取り留めもないことを書いたが、人口問題について今後も調査をしてみたい。
そんな気持ちから、国のデータではなく、静岡市を取り巻く人口減少の実態について、本会議で質問致しますので、ぜひ、お時間のある方は傍聴ください。

【2】 本会議質問 「静岡市における人口問題の現状と対策について」
 質問では、静岡市における人口目標や高齢者の活躍をどう活かすか。
 少子化の実態などについて伺います。
 
質問日時:6月23日14時から

会場  :市役所本館3階 傍聴席
    
参加  :事前の予約不要、服装、入退場も自由です。
     お気軽にお越しください。

6月議会質問骨子
【1回目】
1 静岡市の人口問題の現状について
(1)人口減少の現状について
(2)超高齢社会の現状について

【2回目】
2 静岡市の人口問題への対策について
(1)人口減少への対策について
(2)超高齢社会への対策について

【3回目】 
 意見・要望

宮沢けいすけ 事務所

〒420-0853
静岡市葵区追手町5-1
議員控室「創生静岡」内
TEL/FAX : 054-272-8897